当社は、経営会議の下部機構である「安全推進委員会」において、当社グループ運航船の安全運航に関する事項の検討・審議を行い、安全運航の確保・徹底を図っています。
同委員会の委員長は、代表取締役副社長、副委員長は、当社グループ全体の安全品質の確保・徹底の為の戦略立案・推進を統括するチーフ・セーフティ・クオリティ・オフィサー(CSQO)が務めており、取締役会は安全運航に関する取組みに対して監督責任を負っています。
また、安全運航本部は、全社の安全運航に関わる施策の立案・実行を担当し、各営業本部および各グループ会社に対し、安全施策の実行を指示しています。
*1 CSQO(チーフ・セーフティ・クオリティ・オフィサー)である谷本専務執行役員が安全推進副委員長および安全運航本部長を兼任。(2024年4月現在)
2006年、当社が運航する船舶において4件の重大海難事故が発生しました。事故後、徹底的な事故原因の究明を行い、安全運航支援センター(英語名:Safety Operation Supporting Center:以下SOSC)は2007年2月、「船長を孤独にしない」をモットーとして、24時間365日体制で陸上から本船サポート、ヘルプデスク的機能を有する組織として設置しました。現在は実職船長を含む2名が常時当直に入り、当社運航船の動静をモニタリングし、気象・海象による海難事故を無くすこと、迅速な保安(海賊事案等)・海難(含む地震津波)の初動対応を実施しています。
当社グループの船は世界中の海を航行しています。冬季の荒天、台風、河川港の凍結などの気象上の悪条件ばかりでなく、中東をはじめとする政情不安や戦争・テロ・海賊の発生など、さまざまな状況に適切に対応する必要があります。
近年では異常気象による海象・気象の想定外の急激な悪化に対応する必要も出てきています。また、悪化する国際情勢に伴う様々なリスクに対して、陸上と海上の連携がますます重要になっています。SOSCは運航部署の枠を超え、すべての運航船舶の最新の位置や気象情報そのほか安全運航に影響を及ぼすリスクをリアルタイムに一括して把握しています。
SOSCでは、こうしたリスクを本船並びに陸上関係部署に対して、必要な情報等の提供を行い、船長、オペレーターが正しい判断が出来る様に支援しています。過去の事故の教訓を肝に銘じ、「世界最高水準の安全運航」の実現に向け、重大事故の発生を未然に防止すべく全力で取り組んでいます。