2024年07月04日
商船三井グループの株式会社商船三井内航(社長:小林洋、本社:東京都港区、以下「商船三井内航」)は、田渕海運株式会社、新居浜海運株式会社、(以下、共有船主)と共同保有し、三菱商事株式会社の貨物を輸送する内航船舶(以下、本船)の命名・進水式を、7月3日 村上秀造船グループの株式会社カナサシ重工(以下、カナサシ重工)で執り行ない、本船は「第一めた丸」と命名されました。
本船は環境にやさしい「メタノール」(註)を燃料とする国内初の内航船で、省エネ装置や運航支援・自動荷役システムなどを備えた最新鋭の船舶です。2024年12月にカナサシ重工から引渡しを受け、国内メタノール輸送に従事する予定です。
「メタノール」は従来の舶用燃料重油と比較し、SOxに加えて、地球温暖化の原因となるCO2や、酸性雨等の原因となるNOxの排出量も削減できます。
商船三井グループは共有船主とともに、今後とも、船舶輸送における環境負荷の低減に貢献してまいります。
(註)メタノールは、現在の主たる船舶燃料である重油と比較し、メタノール燃焼時の硫黄酸化物(SOx)排出量を最大99%、粒子状物質(PM)排出量を最大95%、窒素酸化物(NOx)排出量を最大80%、二酸化炭素(CO2)排出量を最大15%削減できます。メタノール燃料は既に実用化されており、世界で主要な130港程度で供給・補油が可能です。多様な排出源から回収したCO2と再生可能エネルギーを利用して製造された水素を合成し生産されたeメタノールや、バイオガス由来のバイオメタノールなど、非化石原料由来のメタノールを活用すれば、排出されるネットGHG排出量の更なる削減につなげて行くことも可能です。メタノールは、環境にやさしい燃料として商船三井グループで運航する5隻を含めて外航船での利用が広がっていますが、内航船では本船が初めてになります。
【本船概要】
総トン数 約570トン
全長 約65.50m
全幅 10.00m
喫水 約4.38m
航海速力 11.15ノット以上
主機関 阪神内燃機工業株式会社 船舶用メタノール燃料エンジン「LA28M」1基
【各社役割】
【関連プレスリリース】
2023年3月23日付国内初のメタノールを燃料とする内航タンカーの建造を決定
商船三井グループが設定した5つのサステナビリティ課題
商船三井グループでは、グループビジョンの実現を通じて社会と共に持続的な発展を目指すための重要課題として「サステナビリティ課題 (マテリアリティ)」を特定しています。本件は、5つのサステナビリティ課題の中でも特に「Safety & Value -安全輸送・社会インフラ事業を通じた付加価値の提供-」、「Environment -海洋・地球環境の保全-」と「Innovation -海の技術を進化させるイノベーション-」にあたる取り組みです。