2025年06月04日
株式会社商船三井(社長:橋本 剛、本社:東京都港区、以下「当社」)は、グループ会社である海技訓練所MOL Training Center (Phils.) Inc.(社長:Teodorico De Guzman(テドリコ デ グズマン)、本社:フィリピン、以下「MOLTC(P)」)が第三者認証機関DNV(註1)認証訓練コース数世界最多の海技訓練所となりました。
これは当社LNG運搬船船員向け教育プログラム「LNG Carrier Standard Training Course」(以下「本プログラム」)が国際海事機関(International Maritime Organization、本部:ロンドン、以下「IMO」)の定める最新のモデルコース(註2)に適合していると認められ、フィリピンの海技訓練機関として初めて認証を取得したことによるもので、単体の訓練所としては、当社の在インド海技訓練所MOL Maritime (India) Pvt. Ltd.らと並び、世界最多の計6件となりました(註3)。
2025年6月3日にはMOLTC(P)の創立20周年を祝う式典が開催され、最新鋭の機関シミュレータおよび新規導入された荷役(LNG/ケミカル)シミュレータが紹介されました。この新設された荷役シミュレータを用いた本プログラムの内容が最新のSIRE(註4)要求(IMO1.36モデルコース)への準拠およびSIGTTO(註5)の定めるLNG船員に必要とされる能力基準を満たしていることが今回の認証取得に繋がっています。今後ますます拡大するLNG船事業を、船員訓練基盤の強化により支えてまいります。
当社は、サステナビリティ課題の一つである「人の活躍と地域社会の発展」にも繋がる船員育成に尽力し、社会インフラ事業の責任ある担い手として、「安全」なオペレーションで人々の毎日の“あたりまえ” を支え続けるため、世界各国で研修内容の標準化を行うとともに船員の国籍を問わず高い品質の海技訓練の実施を通じて、世界最高水準の安全運航を支える優秀な船員の継続的な育成に努めてまいります。
(註1) 船舶や海洋構造物の安全性・環境性能の評価や海事訓練プログラムの認証を行う、世界最大手のノルウェー船級協会。認証取得により、当該訓練プログラムの受講者へ必要な技能と知識を提供する上で、訓練の質や安全性において国際的な基準に準拠していることを証明することができる。
(註2) 1978年STCW条約の採択を受け、IMO加盟国からの提案に基づき開発されたモデルコースに該当し、IMO1.36 モデルコースはLNG荷役シミュレータ及びバラスト操作訓練の内容に特化した訓練内容。
(註3) 2024年8月21日付プレスリリース
Training Program for MOL Seafarers Earns 1st DNV Accreditation in the Philippines - Achieving Safer Operations through Latest Industry-standard Courses - | Mitsui O.S.K. Lines
(註4) SIRE(Ship Inspection Report Program)
石油会社国際海事評議会(Oil Companies International Marine Forum: OCIMF)が運営する船舶検査報告プログラム。このプログラムは、タンカーやその他の船舶の安全性、品質、環境基準を評価するために設計されている。
(註5) SIGTTO(Society of International Gas Tanker & Terminal Operators Ltd.)
国際ガスタンカー運航者及び基地操業者協会の略。LNG、LPGの生産・輸送から消費まで事業全体の安全確保を目的とした協議を行い、LNG船員研修の国際基準である「SIGTTOスタンダード」等を策定している。
商船三井グループが設定した5つのサステナビリティ課題
商船三井グループでは、グループビジョンの実現を通じて社会と共に持続的な発展を目指すための重要課題として「サステナビリティ課題 (マテリアリティ)」を特定しています。本件は、5つのサステナビリティ課題の中でも特に「Safety & Value -安全輸送・社会インフラ事業を通じた付加価値の提供-」、「Human & Community -人の活躍と地域社会の発展-」にあたる取り組みです。