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第二話 フェリー物語 「時代の要請とともに」 フェリーの今

橋の代わりとして誕生したフェリーは今、貨物輸送の効率性と旅客輸送の快適性の両面で時代の要請に応えています。

モーダルシフトの担い手として


貨物トレーラーを牽引するトラクター

現在フェリーは、輸送単位あたりのCO2発生が少ないことから、環境負荷の低い輸送手段として、国土交通省が推進するモーダルシフトの重要な担い手となっています。フェリーによる海上輸送は、1トンの荷物を1km運ぶのに排出されるCO2の量は、営業用普通トラックに比べ非常に少なく、海洋・地球環境保全に大きく貢献できる輸送手段として、注目されています。
フェリーは、トラックドライバーの労働環境向上、道路の渋滞緩和・事故減少、大量輸送による労働力減少の解決策、災害時の代替輸送路などの面でも重要な役割を担っています。長距離フェリーにおいては、有人トラックに代えて、トラクターを切り離して船には貨物トレーラーのみを乗せて海上輸送する無人トレーラーが増えました。

快適な旅客輸送サービスの追求

商船三井グループの、長距離フェリーを運航する各社は、モーダルシフトに貢献する貨物輸送のみならず、旅客輸送においても、より快適なサービスを追求しサービスを提供しています。フェリーの特長である「座席に縛られることなく、自由な空間でゆったりとくつろいで移動する」ことを生かし、戦前の貨客船から引き継いでいる「おもてなし」の心を引き継いでいます。

瀬戸内航路から始まった歴史のある商船三井グループのサービスは、現在「商船三井フェリー」「フェリーさんふらわあ」「名門大洋フェリー」が展開しています。

今日のフェリーの特長

貨物輸送と旅客輸送を同時に行うフェリーは、トラック輸送用に天井の高い車両甲板を持ち、大型トラック150台以上も搭載できるフェリーもあります。旅客設備の充実にも力を入れ、ゆったりと快適な船旅を楽しめるフェリーが増えてきました。


デラックスな個室


ゆったりした展望風呂

フェリーの構造


  • 長距離フェリーの構造
    フェリーの一般的な構造として、自動車を搭載する広い車両甲板があり、自動車が自走で乗下船できる為のランプウェイなどの荷役装置を持っています。
  • 船首から車を出し入れするランプウェイがあるフェリーは、そのランプウェイを波浪の衝撃力から守るための装置としてバウバイザーを装備しています。

  • さんふわらあ あいぼり
    煙突を船側両側に二本設けているフェリーは、船隊の真ん中を通る機関室から煙突までの煙路をなくすことで、車両甲板でのスペースを広くしています。
  • カーフェリーの車両甲板には電源供給設備があり、冷凍食品・野菜類・肉類等を積載した冷凍冷蔵車輛も輸送可能です。

進化するフェリー

安全面でもフェリーは進化しています。商船三井グループのフェリー「さんふらわあ ごーるど」(2007年11月竣工)、「さんふらわあ ぱーる」(2008年1月竣工)は、国内フェリーで初めて2基1軸型エンジンと、燃料タンクの「ダブルハル」構造を採用しました。CO2を削減するとともに、万が一の衝突や座礁でも外板が損傷しただけでは燃料油が流出しない設計です。
操船性を補完するためにサイドスラスターを船首に1基、船尾に3基装備し、船の横移動や回頭をスムーズにしています。
ランプウェイは、船首中央ランプ(バウバイザー付き)、船尾舷側ランプ、船尾中央ランプの3ヵ所に配置し、効率的な自動車の乗下船を実現しました。
「さんふらわあ ごーるど」は、スウェーデンのシップパックス・インフォメーションが主催する「シップパックス・アウォード2008」で「優秀フェリー技術賞」を受賞しました。1999年に創設されたこのアウォードは、世界のフェリー・客船のなかから、優れた技術・デザインの船を選出します。「さんふらわあ ごーるど」は、大胆な船体構造の採用、温室効果ガス排出量削減への努力が評価され受賞しました。

さんふらわあ ごーるど(フェリーさんふらわあ)

さんふらわあ ごーるど

商船三井グループの主なフェリー

さんふらわあ さっぽろ(商船三井フェリー)

さんふらわあ さっぽろ

さんふらわあ ぱーる(フェリーさんふらわあ)

さんふらわあ ぱーる

さんふらわあ あいぼり (フェリーさんふらわあ)

さんふらわあ あいぼり

フェリーきょうと2 (名門大洋フェリー)

フェリーきょうと2

貨物輸送の効率性と旅客輸送の快適性を追求するフェリー。
次項では、これまでの技術の集大成として、私たちが5年後に実現可能と考えるフェリーの未来像を提案していきます。