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ふね遺産 金華山丸

「ふね遺産」は、日本船舶海洋工学会が歴史的価値のある「ふね」関連遺産を認定して広く社会に周知し、文化的遺産として次世代に伝える目的で開始された事業です。

2017年7月20日 プレスリリース
第1回「ふね遺産」に「金華山丸のブリッジ設置機関制御コンソール」が認定 ~世界初の機関自動化船が評価される~


金華山丸プロフィール

今回「ふね遺産」に認定されたコンソールが搭載されていた金華山丸は1961年に竣工した貨物船で、ブリッジからエンジンを遠隔操作し、エンジンの監視や制御をコントロールルームで集中的に行うことを可能とした世界最初の自動化船です。1961年から1979年まで、主にニューヨーク航路や東カナダ~五大湖航路に就航していました。

コンソールは、高さ約1.5メートル、幅約1メートル。長さ140メートルの金華山丸にあっては大変小さな機器ですが、世界初の自動化船の遺産として、当社は1979年の解体時から大切に保管してきました。

当社は、創業100周年にあたる1984年に、100年間を代表する船13隻を選定し、柳原良平氏に切り絵の制作を依頼しました。その1枚が金華山丸です。

総トン数:8316トン、 長さ:140メートル、 幅:19メートル、 造船所:三井造船(株)
金華山丸のブリッジ設置機関制御コンソール
ニューヨーク・マンハッタン島を背にする金華山丸(ii世)
9,800トン、昭和36年建造(絵:柳原良平)
金華山丸ストーリー
1962年1月3日
The New York Times
1961年、金華山丸が処女航海でパナマ運河を通過した際、ブリッジから直接エンジンを操縦するのを見て驚いた水先案内人がニューヨークに電信を入れました。この情報はまたたく間に米国連邦政府の上層部に達し、ニューヨークに到着した金華山丸を、時の国防長官や海事局長が急きょ見学に訪れました。現地の新聞は、これをみて世界初の自動化船入港と書きたてました。自動化にさほど積極的でなかった欧米各国でも、金華山丸に刺激されて自動化船の建造意欲が盛り上がりました。