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低摩擦型船底塗料を新造自動車船で初採用

2010年11月08日

当社は日本ペイントマリン株式会社(社長:佐々木 信廣、以下日本ペイントマリン)の開発した低摩擦型船底塗料「LF-Sea」を、新造船に採用しました。今回の新造船での海上試運転結果の解析により、従来の塗料と比較し燃費改善効果が確認できました。この燃費削減効果は船舶より排出されるCO2削減に寄与します。

船舶の水中部分の摩擦抵抗は、船舶の全抵抗の多くの部分を占めています。その摩擦抵抗を低減することは、船舶運航におけるCO2排出の低減に非常に有効な方法となります。当社はCO2排出削減に有効な低摩擦型船底塗料を今後も積極的に採用します。

適用新造船

南日本造船建造 6400台積み自動車船「NEPTUNE ACE」
2010年10月27日竣工

低摩擦型船底塗料「LF-Sea」

日本ペイントマリンの開発した本塗料は、その成分に含まれる天然由来素材ヒドロゲルを利用しています。ヒドロゲルは、塗膜表面に水を捕捉させることで凹凸部分を減少させ滑らかにすることで摩擦抵抗を少なくするメカニズムが最大の特長です。この摩擦抵抗の減少により従来塗料に比べ約4%の燃費改善効果が得られると同時に、燃料となる重油使用量減少に伴うCO2排出量の削減が可能です。

<参考>

当社はCO2削減技術開発の一環として、現在、日本ペイント株式会社(社長:酒井 健二)、日本ペイントマリンと共同で更なるCO2削減を目指し超低燃費型船底防汚塗料の研究開発を進めています。それは「LF-Sea」をさらに進化させ、従来型防汚塗料と比較し約8~12%のCO2削減効果を狙い開発※を進めている次世代塗料です。今回の新造船における性能評価は本研究開発のベンチマークにもなるものと確信しています。

※国土交通省の平成21年度「船舶からのCO2削減技術開発事業」の補助対象事業の一つに採択されています。(本年1月20日に詳細発表済み)