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当社保有 木材チップ船にVTA(可変ノズル式)ターボチャージャーを搭載、
運用を開始

2011年10月24日

当社はこのたび、三井造船株式会社(加藤泰彦社長)と共同で、当社保有の木材チップ船"DALIA"にMITSUI-MAN VTA(Variable Turbine Area:可変ノズル式)ターボチャージャーを搭載し、その運用を開始しました。

一般に、外航船舶のエンジンは、排気ガスのエネルギーによりタービンを高速回転させ、その力により空気を圧縮し、エンジンの燃焼用空気を燃焼室に送り込むターボチャージャーを装備しています。通常ターボチャージャーはエンジンの高負荷に対して最適チューニングしているため、従来型のターボチャージャーでは低負荷域における性能が相対的に低く、供給空気量が減少し最適な燃焼状態を保つことができませんでした。
今回新たに搭載したVTAにより、負荷に応じてタービン入口の排気ガス通過面積を制御することが可能となり、エンジンが低負荷域の時には排気ガスの通過面積を狭くすることでタービンの回転を上げ、供給空気量を増加させることができます。そのためエンジンの燃焼状態を最適に維持し、これまで以上の低速運航を可能にすると共に各負荷での燃料消費量を低減します。

船舶の低速運航は、燃料消費量を低減、すなわちCO2削減の効果的な手段となります。
一般的に、2港間の一定距離を航走する場合、速力を3割落とすと、CO2の排出量は約半分に減らすことができます。給気量の最適化により、低速運航での更なる燃費削減を実現することは、環境負荷の低減を目指す実現性の高い構想として当社が発表した、次世代船シリーズの「ISHIN-III」で取り入れる要素技術の一つでもあります。

当社は、今回得られた知見を当社運航船に展開することを検討し、引き続きCO2排出量削減の具体化に努めます。