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FSRU向けLNG「再ガス冷熱発電」システムの設計基本承認取得

2020年03月03日

AIP授与(右から当社中野執行役員、川越専務)

株式会社商船三井(社長:池田潤一郎、本社:東京都港区、以下「商船三井」)は、2月26日にDaewoo Shipbuilding & Marine Engineering Co., Ltd.(President and CEO:Sung Geun Lee、イ・ソングン、本社:韓国・コジェ、以下「DSME」)とFSRU向け(註1)に共同開発中の「Cryo-Powered Regas(再ガス冷熱発電) 」システムにおいて、Bureau Veritas Marine (Singapore) (本社:フランス)から設計基本承認(AIP; Approval in Principle)を取得しました。

商船三井とDSMEはFSRUの燃費効率向上及びCO2排出削減のために、共同で「再ガス冷熱発電」システムを開発して参りました。(註2)

今回基本承認を取得した「再ガス冷熱発電」システムでは、FSRUの再ガス化プロセスに有機ランキンサイクル(註3)を用いることで、これまで海水に排出していたLNG冷熱を発電エネルギーとして利用することが可能となります。最大定格流量(註4)では再ガス化プロセスでの電力消費を約70%分回収することで、FSRUの燃料消費およびCO2排出を約50%削減する効果が期待できます。

有機ランキンサイクルシステムは陸上LNG基地で40年以上の実績のある技術ですが、FSRU向けに同技術を適用してAIPを取得するのは世界で初めてとなります。

再ガス冷熱発電のロゴマーク。
電球の中に雪の結晶を入れた模様を通じ、冷熱を発電エネルギーとして利用する本システムの構造を表現しております。

(註1) Floating Storage and Regasification Unitの略。浮体式LNG貯蔵再ガス化設備。洋上でLNGを再気化し、陸上パイプラインへ高圧ガスを送出する能力を持つ。

(註2) 2020年2月21日付プレスリリース「FSRUにおける環境技術の共同開発・マーケティング契約に署名

(註3) 有機化合物からなる熱媒体を介して温度差を発電エネルギーに変換する熱機関の理論サイクル

(註4) 1日あたり5億立方フィートの送ガス量相当。