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燃料油・潤滑油管理新システム「BUNKER HUB」の運用開始
~国内海運会社で唯一燃料油・潤滑油分析機関を自社保有~

2021年12月23日

株式会社商船三井(社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「当社」)は、当社関連会社の商船三井システムズ株式会社(社長:吉田毅、本社:東京都港区)と、当社DX推進の一環として燃料油・潤滑油分析結果を管理する新システム「BUNKER HUB」(以下「本システム」)を自社開発し、今年8月から運用を開始しました。

当社は60年前より国内海運会社で唯一燃料油・潤滑油分析機関(株式会社商船三井技術研究所(以下「技研」)を自社保有しており、本システムは従来のシステムに、クラウド上での「個船別・地域別分析結果」、「オフスペック燃料発生エリア分布」等統計データの一元管理をしています。また、場所時間を問わないオンラインでの分析データ確認を可能にする機能等を加え、利便性・操作性を格段に向上させました。(註1)

技研では、当社グループ運航船約800隻から採取した年間約7,000本のサンプル分析を行っています。新たなBUNKER HUBにより全ての分析結果は本システムで管理され、当社社員がオンラインで確認が可能な為、過去の燃料油の性状を参考に補油港を柔軟に検討することができ、粗悪油燃料回避の一助にも繋がると期待されています。

本システムにて蓄積された分析結果や統計資料、特に、地域・燃料毎の燃料油性状傾向は、海事クラスターにとって技術的向上や今後の安全運航に寄与する為のビッグデータと考えています。今後当社は本システムの外販も含めたデータ共有化を取り進め、海事産業の発展に貢献していきます。

(註1)
【旧システムからの改善点】
当社で過去30年弱運用していた旧システムと本システム「BUNKER HUB」の主な違いは以下通りです。

  • メールベースのシステムからクラウドシステムへの変更。これにより、分析結果がオンラインに閲覧可能になった。更に、船で使用される燃料油・潤滑油の分析結果が継続的にクラウドに保管され、船舶船質維持の確認に寄与できる仕様を実現した。
  • 使用者の利便性を考慮して、iPad等でも閲覧を可能とした。
  • 他社分析機関で分析した燃料油分析結果も、本システムにて一元管理が可能となった。
  • ビッグデータが一元管理されており、ビジュアル分析プラットフォームを用いて地域毎・油種毎の燃料油性状傾向・統計解析が容易にかつタイムリーに把握することを可能とした。
  • 今後のビッグデータの連携という観点から他システム・アプリケーションと柔軟に連携できるシステムを構築した。

【今後のシステム展開構想】

  • 本船とのホットオンラインアクセス化
  • トラブル事例と分析結果の紐づけ、トラブル実績・統計の集約化
  • 同上データの利活用によるトラブルフィードバックシステムの実現
  • 他の当社船舶管理ツール・アプリケーションとの連携(例:Online ABLOG*1, FOCUS*2等)

*1:「Online ABLOG(オンライン アブログ)」 航海記録の要約版であるアブログのデータを、リアルタイムに処理・活用するウェブアプリ。詳細は2020年11月20日付プレスリリース「ウェブアプリ導入により航海記録データのリアルタイム処理を実現」をご参照ください。」をご参照ください。

*2:「FOCUS(フォーカス)」 洋上ビッグデータを利活用し、運航船の安全運航強化・環境負荷低減の深度化を目指す当社プロジェクト。詳細は2018年10月15日付プレスリリース「始動!『FOCUS』プロジェクト ~ 業種を超えた協創、ICTを活用したデータドリブンな取り組みを通じて更なる安全運航強化・環境負荷低減を実現する ~」をご参照ください。