2022年05月20日
株式会社商船三井(社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「当社」)は、海上保安庁や国土交通省などを含む関係機関と合同で、伊勢湾南方海域を航行中のLNG船「LNG MARS」にて官民連携海賊対処訓練を5月13日に実施しました。
当社運航船「LNG MARS」が海賊と思われる不審な船舶(以下「海賊船」)から追跡・接近を受けているとの想定で、緊急時の通信訓練を主体に実施しました。海上保安庁の巡視船「みずほ」が現場に急行するなど、緊迫感あふれる中、各関係先との情報伝達経路、伝達手段も含めた当社危機管理体制の確認を行いました。
当社はこうした活動を通じて、“世界最高水準の安全品質”への取組みを続けていきます。
訓練参加機関
- 海上保安庁、同庁巡視船「みずほ」
- 国土交通省海事局外航課
- 株式会社商船三井、LNG船「LNG MARS」(運航:当社、共有船主:大阪ガスインターナショナルトランスポート株式会社および当社)
- エム・オー・エル・エルエヌジー輸送株式会社(当社グループ 船舶管理会社)
- アジア海賊対策地域協力協定情報共有センター(ReCAAP‐ISC)
訓練の概要
- 「LNG MARS」が、海賊船から追跡・接近を受けている想定で訓練を開始。
- 「LNG MARS」は、船舶保安警報を発信、同船の船舶管理会社、当社「安全運航支援センター(註1)」および海上保安庁に海賊遭遇を通報。
- 連絡を受けた船舶管理会社、安全運航支援センターは直ちに状況を確認すると共に関係官庁に報告。
- 「LNG MARS」から報告を受けた海上保安庁は、付近海域を警戒中の巡視船「みずほ」を現場へ急行させた。「みずほ」は「LNG MARS」と交信の上、状況を海上保安庁へ報告。海上保安庁は「みずほ」からの情報を、船舶管理会社等、各関係者へ連絡。
- 「LNG MARS」が回避操船等の海賊侵入防止措置を実施(註2)したことにより、海賊船は追跡を断念。
- 「LNG MARS」は不審者が侵入していないか船上調査を「みずほ」に依頼し、「みずほ」の海上保安官は搭載ヘリコプターにより「LNG MARS」に移乗(註2)、船上調査の結果、本船の安全を確認。
(註1) 安全運航支援センターは、世界的なテロ事件の脅威や異常気象など、船舶の安全運航を阻害することが想定される諸事象に対し、それらの予防と的確な対応のため、2007年2月に当社内に設置したもの。本センターは、「船長を孤独にしない」をモットーに、24時間365日の監視体制で、対象船やその関係者に航行安全に関する情報を発信することにより、安全運航を支援している。
(註2) 訓練想定に沿って手続きのみ実施。