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台湾洋上風力発電所向けSOV造船契約の締結
~2022年竣工のアジア初新造SOV「TSS PIONEER」に次ぐ2隻目を建造~

2023年11月22日

株式会社商船三井(社長:橋本 剛、本社:東京都港区、以下「商船三井」)と大統海運(タ・トン・マリン、Ta Tong Marine)以下「大統海運」)は、両社の合弁会社である大三商航運股份有限公司(タ・サン・シャン・マリン、Ta San Shang Marine Co. Ltd. 以下、「TSSM社」)を通じ、11月21日、オランダのダーメングループと新造Service Operation Vessel(サービス・オペレーション・ヴェッセル。以下、「SOV」(註1))の建造に関する造船契約を締結しました。

(SOVのイメージ画像)

本船は2022年に竣工したアジア初のSOV「TSS PIONEER」(註2)に次ぐTSSM社2隻目の台湾籍SOVとして、ベトナムの造船所にて建造され、2025年末の竣工を予定しています。今回の新造SOVはメタノールレディな設計であり、竣工後、台湾の洋上風力発電所の支援業務へ投入され、TSS PIONEERにおいて培ったSOVの操業経験を活かし、発電事業者や風車メーカー、建設事業者等に対して洋上での快適な宿泊設備を提供するとともに、本船から洋上風力発電所へ人員や物資の安全な移送を行うことで、台湾の洋上風力事業の発展に寄与します。

商船三井 電力・風力エネルギー事業群第二ユニット(風力発電事業)担当執行役員の杉山正幸は「TSS PIONEERに加え、今回の新造SOVの操業を通じてTSSM社の台湾に於けるSOVプレイヤーとしての地位を確固たるものにすることに加え、日本を含むアジア地域での商船三井のSOV事業展開の布石としたいと考えています」と語っています。

TSSM社董事長の林 宏年(Hrong-Nain, Lin)は「アジアで初の専用SOV “TSS PIONEER”での操業経験を踏まえ、我々はグリーンエネルギー分野への貢献を更に深めたいと考えています。今回の新造船に於いても、我々が最重視する安全で快適な環境を風車技師・船員に提供し、台湾、更にはアジア大洋州域での洋上風力事業の伸展に貢献して参ります」と語っています。

ダーメン社のCEOであるArnout Damenは「数あるSOVビルダーの中から、今回MOL・TSSM社にDamenのSOVを採用頂き光栄です。今回の新造船は台湾に於ける洋上風力事業の進展に貢献すると確信しています。今後もMOL・TSSMと協業できるのを楽しみに思っています。」と語っています。

商船三井はこれまで培ってきたビジネス経験および海技ノウハウを活かして、洋上風力発電関連事業への取り組みを進め、ネットゼロ・エミッション社会の実現に貢献します。

(署名式の様子)
左から商船三井 専務執行役員 鍬田博文、 TSSM社 董事長 林宏年氏、
Damen Director Mr. Jelle Brantsma

【本件SOV主要目】

船籍 台湾
全長 87.7m
全幅 19.7m
計画喫水 5.3m
最大乗船人員 120名
特徴 ダイナミックポジショニングシステム( DPS: 自動船位保持機能装置)、Motion Compensated Gangway・Crane 装備

商船三井について
商船三井は、環境保全など刻々と変化する社会のニーズに応えるため、海運を中心にさまざまな社会インフラ事業や技術・サービスを展開しています。環境保全に関しては、「商船三井グループ 環境ビジョン2.2」を掲げ、商船三井グループ一丸となって、自社および社会の温室効果ガス排出削減を推進すると共に、アンモニアや水素を始めとしたクリーンエネルギーのサプライチェーン構築に貢献します。社会の温室効果ガス排出削減に寄与するための一つの方法として海運業やFSRUやFPSOなどの海洋事業で培った実績を活かし、洋上風力発電関連事業のバリューチェーン全体で幅広いサービスの提供に取り組んでいます。
詳細についてはこちらをご確認ください:https://www.mol.co.jp/services/windpower/

大統海運について
大統海運(董事長:林 宏年)は台湾・台北市に本社を置く台湾の有力船主の一社であり、商船三井の台湾に於ける長年のビジネスパートナーです。TSS PIONEER事業、今回の新造SOV建造が示す通り、近年は商船三井と台湾に於ける洋上風力事業分野に注力して取り組んでいます。

Damenについて
Damen(本社:オランダ)は世界各国に30以上の造船所・関連会社を有しており、オフショア船(SOV・CTV)・タグボート・フェリー等の設計・建造・修繕を行っています。本船は、DamenがSOVの受注・建造実績を積み上げている、ベトナムで建造が行われます。

(註1):【Service Operation Vessel(SOV)とは】
洋上風力発電所のメンテナンス技術者を複数の洋上風車に派遣する為に多数の宿泊設備を持ち、一定期間洋上での活動が可能なオフショア支援船。SOV には 洋上風車との距離を常時安全に保つため、ダイナミックポジショニングシステム( DPS: 自動船位保持機能装置)を搭載 する 他 、洋上風車 の プラットフォーム上に 風車技師 を安全に渡すため、波等による船体動揺を吸収するモーション・コンペイセイション( Motion Compensation )機能をもつ特殊なギャングウェイ (Gangway :人道橋) を搭載する。これらの特殊機器の安全な取り扱いのために資格および一定の訓練を受ける必要がある。

(註2):詳細は、以下プレスリリースをご参照ください。
2022年3月10日付 台湾大彰化洋上風力発電所向け「アジア初の新造 SOV」が竣工 ~台湾最大規模の洋上風力発電所の安定操業へ寄与~