トップページ > プレスリリース 2024年 > 阪神港コンテナターミナルにおける荷役機械高度化実証事業の開始 ~世界初 タイヤ式門型クレーン(RTG)の水素エンジン換装、港湾の脱炭素化を実現~

阪神港コンテナターミナルにおける荷役機械高度化実証事業の開始
~世界初 タイヤ式門型クレーン(RTG)の水素エンジン換装、港湾の脱炭素化を実現~

2024年02月07日


阪神国際港湾株式会社
株式会社商船三井
商船港運株式会社
株式会社三井E&S
iLabo株式会社
岩谷産業株式会社
株式会社ユニバーサルエネルギー研究所

このたび、阪神国際港湾株式会社(代表取締役社長:木戸 貴文/以下、「阪神国際港湾」)は、国土交通省近畿地方整備局が実施する「阪神港における荷役機械高度化実証事業委託業務」(以下、「本業務」 【注1】)を受託し、株式会社商船三井(代表取締役社長:橋本 剛/以下、「商船三井」)が運営している神戸国際コンテナターミナル(以下、「KICT」)にて、世界で初めてタイヤ式門型クレーン(RTG)【注2】を水素エンジン発電機に換装し、水素を燃料とした荷役機械の稼働実証を行うこととしました。

<神戸国際コンテナターミナルのタイヤ式門型クレーン>
<神戸国際コンテナターミナル位置図>

阪神国際港湾は、KICTのオペレーターとしてRTGを保有する商船港運株式会社(代表取締役社長:実 謙二)、RTGメーカーの株式会社三井E&S(代表取締役社長 CEO:高橋 岳之)、水素エンジンメーカーのiLabo株式会社(代表取締役:太田 修裕)、水素供給・運搬・充填を担う岩谷産業株式会社(代表取締役 社長執行役員:間島 寬)、コンサルテーションを担う株式会社ユニバーサルエネルギー研究所(代表取締役社長:金田 武司)とともに、港湾のターミナルの脱炭素化に向け、水素エネルギーの安全かつ円滑な導入、現地実証等に取り組みます。

<実証事業におけるタイヤ式門型クレーンの水素エンジン換装(上)、水素の供給・充填(下)イメージ図>

実施体制については以下の通りです。

脱炭素社会の実現に向け、クリーンなエネルギーである水素への期待が世界で高まっていますが、日本の港湾・臨海部においても、脱炭素化の為の港湾機能の高度化や水素等の受入環境の整備等を図るカーボンニュートラルポート(CNP)の形成が進められ、水素をエネルギー源とした荷役機械の技術開発等の取り組みが行われています。本実証事業はその中でもRTGのディーゼルエンジン発電機を水素エンジン発電機へ換装するもので、世界で初の取組みとなります。

本実証事業参加各社は、荷役機械の水素燃料化や電動化に積極的に取り組み、阪神港でのCNP実現を図ってまいります。

【注1】本業務について

  • 受託名称:阪神港における荷役機械高度化実証事業委託業務
  • 委託者:国土交通省 近畿地方整備局
  • 実施場所:神戸市中央区港島9丁目 神戸港ポートアイランド(第2期)地区 PC15~17

<参考>実証事業全体での実施内容およびスケジュール(予定)

○実施内容

  • 1)荷役機械のディーゼルエンジン発電機の水素エンジン発電機への換装
  • 2)荷役機械に対する水素充填
  • 3)荷役機械による荷役作業の実施

○事業実施スケジュール(予定)

  • 令和4年度~令和5年度:実施計画立案(机上検討)
  • 令和5年度~令和6年度:RTG 換装、試運転(現地実証の準備に着手)
  • 令和7年度:現地実証(データ取得)、分析等
  • 令和7年度~令和8年度:技術上の基準の改定等

詳しくは、こちらの国土交通省ホームページをご覧ください。
URL:https://www.kkr.mlit.go.jp/news/top/press/2023/20240207-2cnpjissyou.html

【注2】タイヤ式門型クレーン(RTG: Rubber Tired Gantry crane)

両端にタイヤ付きの脚を設け、地上にレールを設置しなくても走行可能なコンテナ運搬用クレーンのこと