2023年4月に、2050年までのネットゼロ・エミッション達成と、人・社会・地球のサステナブルな発展を実現するための新たな道標として、「商船三井グループ 環境ビジョン2.2」(以下「環境ビジョン2.2」)を策定しました。
「環境ビジョン2.2」は、2021年6月に発表した「商船三井グループ 環境ビジョン2.1」からの着実な進捗を示すとともに、目標達成に向けた重要な指標としてKPI・マイルストーンを追加・更新することで取り組みの実効性を高め、具体的なGHG排出削減の道筋を描くことでネットゼロ・エミッション移行計画をより明確化しました。
商船三井グループ 環境ビジョン 2.2[9.48MB]
2050年までのネットゼロ・エミッションを確実に達成するため、アクションごとに進捗を測る定量KPIとマイルストーンを設置しました。
「商船三井グループ 環境ビジョン2.2」で掲げる各目標、マイルストーンの実現に向けて着実に歩みを進めています。
中長期目標 | 2023年度実績 | ||
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2020年代中 | ネットゼロ・エミッション外航船 | 運航開始 | 0隻 |
2035年 | GHG排出原単位 | ▲45%(2019年比) | ▲7.2% |
2050年 | GHG排出総量 Scope1,2,3全て |
▲90%以上(2019年比)(註1) | ▲8% |
(註1)2050年時点において、残存排出量を10%以下とし、ネガティブエミッションとの中立化によりネットゼロ達成を目指す
区分 | KPI | マイルストーン | 2023年度実績 | |
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気候変動対策 | 環境投資額 | 2023-2025年累計 6,500億円 | 6,580億円(註1) | |
GHG排出総量 Scope1,2 |
2030年 ▲23%(2019年比) | ▲10% | ||
気候変動対策 - アクション1 |
LNG/メタノール燃料 外航船 | 2030年 90隻 | LNG 37隻 メタノール 1隻 |
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ネットゼロ・エミッション 外航船 | 2035年 130隻 | 0隻 | ||
ゼロ・エミッション燃料 使用割合 | 2030年 5% | 0.4%(註2) | ||
Scope2電力 再エネ割合 | 2030年 100% | 55.8% | ||
気候変動対策 - アクション2 |
ウインドチャレンジャー 搭載隻数 | 2030年 25隻 | 2隻(註3) | |
気候変動対策 - アクション3 |
燃費効率(MJ/ton-mile) | 2025年 ▲5%(2019年比) | ▲6.9% | |
気候変動対策 - アクション4 |
吸収・除去系カーボンクレジット 使用量 |
2030年までの累計 220万トン | 0トン ※「カーボンクレジットに関する取り組み」を参照 |
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大気汚染防止 | SOx排出原単位 (g-SOx/ton-mile) |
2030年 ▲14%(2020年比) | +5.4%(註4) | |
資源&エネルギー効率活用 | 燃費効率(MJ/ton-mile) | 2025年 ▲5%(2019年比) | ▲6.9% |
現時点での実績は0トンとなっていますが、自然ベース・技術ベースの両面から取り組みを推進しています。具体事例は以下に示す通りです。
【自然ベースの具体事例】
森林・マングローブ再生等のプロジェクト支援を通じ、脱炭素に加え、生物多様性や地域社会へも貢献します。当社は、2022年1月より、インドネシア南スマトラ州におけるマングローブの 再生・保全を目的としたブルーカーボン・プロジェクトに参画しています。プロジェクトを実施する30年間を通じて、約 9,500haの裸地でのマングローブ等の新規植林により、約600万トンのCO2の吸収・固定を目指します。
【技術ベースの具体事例】
CO2除去技術のプロジェクトに今から関与することで、技術革新及びコスト低減に寄与します。当社はNextGen CDR Facilityの設立バイヤーの一社であり、また、First Movers CoalitionのCDRセクターのメンバーとして、2030年までに少なくとも50,000トンの技術ベースのカーボンクレジットを購入することを約束しています。
調達するCDRクレジットの十全性については、第三者機関に認証されたクレジットを選定することに加え、外部の評価を参照することや関連するガイドラインなどを参考に自社でも個別に確認することで、充分配慮していきます。