取締役の個人別の報酬等の内容については、社外取締役を委員長とし、社外取締役が過半を占める報酬諮問委員会の審議・答申を踏まえ、取締役会の決議により決定することで、客観性、透明性のある手続きを取っております。また、報酬諮問委員会では取締役、執行役員の報酬制度のレビューを適宜行い、長期的な企業価値の向上に対するインセンティブを含む役員報酬の在り方について、「ステークホルダーの視点」を重視した客観的な立場から検討をおこなっています。
当社は、業務執行取締役の報酬構成について、報酬諮問委員会の答申を経て、2025年3月28日に開催された取締役会で、取締役及び執行役員に対する報酬制度を改定することを決議しました。この改定の一部は、2025年6月24日開催の2024年度定時株主総会で承認され、2025年度から適用されます。改定の要旨は以下の通りです。
本制度改定の趣旨・目的は、役員報酬制度についての継続的な検証と改善への議論を踏まえ、社員が当社役員を目指すモチベーションにもつながる報酬水準とするとともに、当社役員における健全な起業家精神の発揮と株主の皆様との一層の価値共有及び当社グループの価値観・行動規範“MOL CHARTS”に合致した職務の遂行を一層促すべく、経営計画「BLUE ACTION 2035」を踏まえた成果により適切に見合った報酬を得られるような評価方法とすること、並びに、業績連動比率及び株式報酬比率を高めることです。併せて、クローバック制度の導入により、役員報酬によるガバナンスの更なる適正化を図ります。グローバルベースでの競争力を有する報酬水準の実現と、報酬制度におけるガバナンス強化が、中長期的企業価値の更なる向上に寄与するものと考えています。
本改定後、報酬構成は、固定報酬:変動報酬の比率が60:40から44:56へ、金銭報酬:株式報酬の比率が80:20から65:35に変更となります。また、業績連動報酬の評価方法も一部変更し、従来の指標に加え、配当性向の達成度に応じた加減算を行います。
併せて、非業務執行取締役に対しても報酬水準を引き上げ、業績に連動しない株式報酬の報酬上限額を拡大します。
報酬の区分 | ウェイト | 期間 | 支払時期 | 概要・算定方法 | |
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固定報酬 | 月例報酬(金銭) | 37% | 1か月 | 翌月 | 職責に応じた堅実な職務遂行を促すための固定報酬(金銭)として月例報酬を支給。 |
役位株式(株式) | 7% | 1年 | 退任時 | 企業価値の持続的向上と株主との価値共有を目的として譲渡制限付株式(役位株式)を支給。 | |
変動報酬 | 単年度業績報酬 (金銭及び株式) |
28% | 1年 | 翌年6月 |
短期業績を反映させる変動報酬として、以下指標と連動した単年度業績報酬(金銭)を支給。
社長については、単年度決算での経営計画のコミットメントに対する達成インセンティブをより強化するため、「BLUE ACTION 2035」を踏まえて設定された一定の業績条件を満たす場合に、支給率を高める仕組み(*4)を導入。 (*4) 欄外の社長の単年度業績報酬の概念図を参照 また、単年度業績報酬として算出した報酬額が当社取締役会が定めた一定の基準を超える場合に、その一部について、金銭ではなく、譲渡制限を付した当該株式によって付与。(単年度業績報酬株式付与制度) |
長期目標貢献報酬 (株式) |
28% | 下表の とおり |
下表の とおり |
中長期の株価および業績との連動性を持つこと、取締役(非業務執行取締役を除く)及び執行役員の保有株式の増加を通じて株主との一層の価値共有を図ることを目的に、業績連動型株式報酬制度を導入。 |
指標 | ウェイト | 期間 | 支払時期 | 目的及び評価の詳細 |
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(a) TSR:Total Shareholder Return(配当込みの株主総利回り)と東証株価指数の成長率との比較 (b) 当社のTSR成長率と競合他社のTSR成長率との比較 |
30% | 3年 | 退任時 | 株主価値向上のインセンティブとするために設定。 |
ROE | 40% | 1年 | 退任時 | 親会社株主に帰属する当期純利益の向上と自己資本の効率化に対するインセンティブとするために設定。 |
中長期貢献個人目標 | 30% | 1年 | 退任時 | 企業価値を向上させる、将来に成果が現出する当該事業年度の取り組みを促すために設定。 代表取締役社長をはじめ各業務執行取締役の評価には、気候変動の対策状況やその他ESGに関する取り組みの進捗度合が反映される。 |
社外取締役を含む非業務執行取締役への報酬については、業務執行監督に加え、株主価値の共有を実践するため、基本報酬(金銭報酬)及び業績に連動しない株式報酬(譲渡制限付株式)により構成しています(いずれも固定報酬)。
なお、本報酬制度は2022年度より新たに導入されたものであり、従来の固定金銭報酬額100%のうち、10%が譲渡制限付株式に置き換わる形の構成(目安)への変更となります。
(注) 上記の図は、一定の当社株式単価を前提とした報酬比率目安です。
株主総会で定められた上限の範囲内で、常勤•非常勤の別、監査業務の分担の状況、取締役の報酬等の内容及び水準を考慮し、監査役間の協議をもって各監査役が受ける報酬の額を定めています。監査役には、賞与・ストックオプション・業績連動型株式報酬は付与していません。
役員報酬の実績はサステナビリティデータ集のページをご覧ください。