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全負荷域での主機関の連続運転を実現
~当社運航船で実証~

2010年10月13日

当社はこのたび主機関の補助ブロワーモーターの出力を大きくすることで、今まで使用できなかった負荷域での主機関の連続運転が可能になることを、当社運航船で実証しました。

一般に外航船舶の主機関は、低速運転時すなわち低負荷域では主に補助ブロワー、高速運転時すなわち高負荷域ではターボチャージャーにより燃焼室に空気を送り込む機構をとっています。しかしながら、補助ブロワーによる給気から、ターボチャージャー単独による給気へと切り替わる負荷域周辺には、空気量の不足による燃焼状態の悪化・排気温度の上昇により、主機の連続運転が困難な領域がありました。今回の実証では、補助ブロワーモーターの出力を大きくすることで、十分な給気量が確保され、この領域でも連続運転が可能になることが確認されました。

船舶の低速運航は、燃料消費量を低減、すなわちCO2を削減するための効果的な手段となります。給気量の最適化によって、負荷域の制限なく運転が可能になることは、これまで以上の低速運航を実施する機会を増やすことにつながります。これは、環境負荷の低減を目指す実現性の高い構想として当社が発表した、次世代船シリーズの「ISHIN-III」で取り入れる要素技術の一つでもあります。

当社は、今回得られた知見を当社運航船に展開することを検討し、引き続きCO2排出量削減の具体化に努めます。