2012年06月29日
当社の"停泊中ゼロエミッションを目指したハイブリッド自動車船"「EMERALD ACE」は本日、三菱重工業株式会社(大宮 英明社長;以下、三菱重工)神戸造船所で竣工しました。
本船は世界初の新造ハイブリッド自動車船として建造され、当社が三菱重工、パナソニックグループ エナジー社(伊藤 正人社長)と共同で開発した約160kWの太陽光発電システムと、実力値で約2.2MWhの電力量のリチウムイオン電池を組み合わせたハイブリッド給電システム(*)を搭載しています。従来の発電システムでは、停泊中の船内の電力供給にディーゼル発電機を使用しますが、本船では航海中に太陽光発電システムで発電した電力をリチウムイオン電池に蓄え、その電力を使用することで、停泊中にディーゼル発電機を完全停止して「ゼロエミッション」を実現します。
本船のハイブリッドシステムは、当社が2009年9月に発表した次世代船シリーズ「ISHIN-I」自動車船の未来像の実現に向けたステップのひとつであり、当社は引き続き、船舶の環境負荷低減に向けた技術開発に積極的に取り組んでいきます。
航行中のハイブリッド自動車船「EMERALD ACE」
本船の船尾付近に、自然エネルギーを利用したハイブリッドシステムを象徴する言葉として「SOLAR HYBRID」と記載
【本船要目】
船名:"EMERALD ACE"(エメラルド エース)
載貨台数:6,400台(基準小型車換算)
全長:199.99m
全幅:32.26m
深さ :34.52m
喫水:9.725m
ハイブリッド給電システム概念図
*本ハイブリッド給電システムの研究開発は国土交通省の「船舶からのCO2削減技術開発支援事業」の補助対象事業として、また一般財団法人日本海事協会の「国際海運における温室効果ガス削減技術に関する研究開発」の共同研究テーマとして採択されています。