2013年04月30日
このたび当社は、中国の滬東中華造船(集団)有限公司(Hudong-Zhonghua Shipbuilding (Group) Co.,Ltd.、以下“HUDONG”)が建造する6隻の新造LNG船の保有および船舶管理業務につき、先に香港で設立していた中国のパートナーとの合弁会社を通じて参画することになりました。当社の持ち分は20%で、残りの80%の出資者は中国のパートナーである中国海運(集団)総公司(China Shipping (Group) Company)と中国石油化工股份有限公司(China Petroleum & Chemical Corporation、以下“SINOPEC”)の2社(以下“中国パートナー”)です。
6隻のLNG船は、SINOPECが豪州Australia Pacific LNGプロジェクトからFOB(*注)で購入するLNGの輸送のために長期貸船される予定で、2016年初めから2017年後半にかけて順次竣工します。
(*注)Free on boardの略で、本件では買主であるSINOPECが海上輸送を手配している。
プロジェクトの総投資額は約15億ドルです。うち、船舶の建造資金については、三井住友銀行(以下"SMBC")をファイナンシャルアドバイザーとし、中国国内金融機関3行(中国輸出入銀行、中国工商銀行、中国銀行)、及び本邦金融機関3行(SMBC、三菱東京UFJ銀行、みずほコーポレート銀行)からなる協調融資行と上記の合弁会社間で、プロジェクトファイナンスによる融資契約(総借入額約12億ドル)に調印しました。
本件は、急速に拡大する中国向けLNG輸送分野において、2010年3月に発表したExxonMobilプロジェクト(新造LNG船4隻をHUDONGに発注、2015年初めに第1船が竣工予定)への参画に続く、当社にとって第二弾目の大きなマイルストーンとなります。
30年に及ぶ当社のLNG船事業の実績、貨物の安全輸送と船舶の安全運航への取り組みが高く評価される中で、ExxonMobilプロジェクト等を通じて築き上げてきた信頼関係が中国パートナーの判断の決め手となって、本件が結実したものです。これにより、中国向けLNG輸送での当社プレゼンスは高まり、中国パートナーとの更なる協力関係を築けるものと考えます。
今後、中国パートナーと共に新造船6隻の建造監督業務、および船舶管理業務遂行のために健全かつ強固な基盤を構築していきます。そのため、既に5人の技術者を上海に駐在させており、高品質のLNG船を安全に建造するための準備作業を共同で始めています。
当社は、この中国パートナーとの良好な関係を貴重な財産として今後も大切にしていきます。
長い本プロジェクト遂行の過程では困難に直面することもあるかもしれませんが、お互いの立場を尊重した信頼関係に基づく協力によってそれらを克服し、この歴史的プロジェクトを成功させる所存です。
本件とExxonMobil案件の2つのプロジェクト合計で、すべてのLNG船が竣工する2017年には中国向けLNG輸送に当社関与船10隻が従事することになります。当社としては、CO2排出量の少ないクリーンエネルギーである天然ガスの長期の海上輸送サービスを通して、環境負荷を抑えた中国の経済発展に貢献できると考えます。
また、世界的にも環境保全意識が高まる中で、LNG輸送需要は大きく伸びていく見込みです。
当社は、この分野での実績No.1企業として北米プロジェクト等の新規案件に積極的に取り組み、現在84隻の当社LNG船隊を2020年には110隻前後まで拡大することを将来像としています。