2015年02月02日
商船三井(社長:武藤光一、本社:東京都港区、以下「商船三井」)が発注したLNG船“PAPUA”が1月30日、上海の滬東中華造船(集団)有限公司(Hudong-Zhonghua Shipbuilding (Group) Co., Ltd. 、以下「Hudong社」)にて竣工しました。同船は2010年3月および2011年1月に発表したExxonMobilプロジェクト(PNG LNGプロジェクト及び豪州ゴーゴンLNGプロジェクト)「新造LNG船4隻をHudong社に発注」の第一船であり、PNG LNGプロジェクトへ長期貸船契約に基づき投入されます。
中国の造船所で高品質のLNG船を安全に建造するため、商船三井は2011年1月より造船所に技術者を派遣し、日本人・中国人を中心とした多国籍に亘る建造監督チームを編成して、ExxonMobil社との協力関係の下、海外船社として初となる中国建造LNG船プロジェクトを推進してきました。
竣工に先立ち、1月8日には、Hudong社にて命名式が執り行われ、多数の関係者の出席の下、パプアニューギニア首相夫人により同船は“PAPUA”と命名されました。
本プロジェクトは海外船社として初めて中国の造船所を起用したことに加え、中国の大手エネルギー会社である中国石油化工股份有限公司(China Petroleum & Chemical Corporation、以下「SINOPEC社」)向けLNG輸送であること、更に、本船は中国の大手船主である中国海運(集団)総公司(China Shipping (Group) Company、以下「China Shipping社」)とSINOPEC社との共有であることなど、多方面で中国に深く根ざしたものとなっています。
本プロジェクトで築き上げた中国側パートナーとの信頼関係を背景に2013年4月より参画しているSINOPEC社向け6隻の新造LNG船プロジェクトも現在進行中であり、Hudong社にて建造を進めています。ExxonMobilプロジェクトの4隻と併せ、合計10隻の当社発注船が本年から2017年にかけて竣工予定となっており、本件はその第一船の竣工という大きなマイルストーンに当たります。
これらプロジェクトを通じて得た国際協業の経験および中国関係者との連携は、当社の今後の国際ビジネスの発展に必ずや大きく活かされるものと確信します。
商船三井は中期経営計画「STEER FOR 2020」で掲げる「変革を通じた確かな成長」の実現に向け、長期安定利益に寄与するビジネスへの経営資源の投入を進めており、現在66隻の当社LNG船隊を中国プロジェクト向けの10隻を含め2020年には120隻まで拡大することを将来像としています。米国シェール革命を背景に今後大きな成長が見込まれるLNG輸送分野では、北米プロジェクトなどの新規契約獲得を着実に積み重ねています。加えて、昨年12月にはLNG船とLPG船双方での豊富な経験・ノウハウを生かし世界初となる大型エタン専用船による輸送事業への参画も果たしました。
当社は、世界最大級のLNG船保有・管理会社としてこれまでに培ってきた経験、ノウハウ、ネットワークを活かし、今後もお客様のLNG調達ニーズを的確にとらえ、安全且つ高品質のLNG輸送サービスの提供に積極的に取り組んでいきます。
【“PAPUA”概要】
全長 | : 290.0m |
全幅 | : 46.95m |
満載喫水 | : 11.50m |
LNGタンク | : メンブレン型 |
貨物タンク容量 | : 171,800m3 |
主機関 | : 低速ディーゼルエンジン+再液化装置 |
航海速力 | : 19.5ノット |
建造造船所 | : 滬東中華造船(集団)有限公司 (Hudong-Zhonghua Shipbuilding (Group) Co., Ltd |
船舶管理会社 | : 商船三井 |
保有比率 | : 商船三井 70%/ECLSI社(China Shipping社、SINOPEC社出資の合弁会社)30% |