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次世代型自動車船「FLEXIE」シリーズ 4隻の造船契約を締結
~新デッキ構造の採用により、積載台数の増加と積載時の高い自由度を実現~

2015年04月23日

株式会社商船三井(社長:武藤光一、本社:東京都港区、以下「商船三井」)はこのたび、 南日本造船株式会社(社長:池辺隆太郎、本社:大分県臼杵市、以下「南日本造船」)と次世代型自動車船4隻の建造に関する造船契約を締結しました。これら4隻は2017年から2018年にかけて順次竣工し、商船三井グループが提供する自動車輸送サービスへ投入される予定です。

今回発注した自動車船では艙内構造を大幅に見直し、デッキ数を従来の12層から14層に変更します。さらにデッキの高さの調整が可能なリフタブルデッキを2層から6層へ増やし、固定デッキ間に連続2層ずつ設置するとともに、リフタブルデッキの高さ設定の自由度を高める新設計を採用しました。こうした新デッキ構造により、様々な高さの車両を効率よく積載することが可能となり、今後ますます多様化が予想される車両輸送の需要に対応します。

商船三井では、この新デッキ構造を採用した自動車船を「FLEXIE(フレキシー)」(*1)シリーズと命名し、リフタブルデッキの自由度を活かした車両輸送のマーケティングをグローバルに展開すると同時に、商船三井グループで一丸となって取り組んでいるサービス“MOL Project & Heavy Cargo”(*2)もさらに強化します。

また今回の新造船では、電子制御エンジンの搭載に加え、排気ガスバイパス(EGB: Exhaust Gas Bypass)による低負荷チューニング(LLO: Low Load Optimized) を採用するとともに、発電機エンジンからの排熱回収や電力消費量の削減技術を導入します。また、就航済の船舶から得た実海域性能評価を フィードバックして低速域での船型改善を図るとともに、商船三井が2009年から取り組んでいる「船舶維新プロジェクト」(*3)の要素技術のひとつである風圧抵抗軽減 船型を進化させ、風圧抵抗のさらなる低減を図ります。これらの技術の採用を通じて、商船三井の既存船比較で燃費効率を大幅に改善し、環境負荷低減にも寄与します。

商船三井はこれまでも、常に革新的な次世代型自動車船の開発に取り組んできており、2012年には世界初の新造ハイブリッド船“EMERALD ACE”(*4) を竣工させました。商船三井は、これらの革新的技術を取り入れた新しい自動車船のサービス投入により、一層の顧客ニーズへの対応と、自動車輸送事業の競争力強化を図ります。

【主要目】

全長 : 199.95 m
全幅 : 32.2 m
載貨台数 : 6,800台(基準小型車換算)

*1:英語で“柔軟さ”を意味する「FLEXIBLE」をモチーフに、リフタブルデッキの高さ設定の自由度を高めることで積載時の効率性を実現する本船の特長と、多様化するお客様の輸送ニーズに対応する当社の営業スタイルを表しています。

*2:商船三井、商船三井ロジスティクス株式会社、株式会社宇徳、商船三井近海株式会社の4社が共同で進めているプロジェクト。様々な重量物輸送のニーズに対応する物流ソリューションに加え、据え付け・組立工事などのプラントエンジニアリングを含めた幅広いサービスを提供します。

*3:実現可能な技術を用いてCO2の排出量削減を図り、地球環境保全に大きく貢献する革新的な取り組みです。

*4:太陽光発動システムとリチウム電池を組み合わせたハイブリッド給電システムを搭載。航海中に太陽光発電システムで発電した電力をリチウムイオン電池に蓄え、その電力を使用する事で、停泊中の排気量ゼロを実現しました。