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2019年01月04日

2019年新年社長メッセージ
~ありたい姿を次世代へ~

株式会社商船三井 社長池田潤一郎は、本日、本社にて商船三井グループの全役職員に向けての年頭挨拶を行いました。

まず初めに私が正月休みに考えたことをご披露しましょう。昨年を振り返ってみると、さまざまなことがありましたが、特に記憶に新しいのがフィリピン商船大学の開校の際に、同国の運輸大臣から「この大学はフィリピンにとってのギフトである」との賛辞を頂いたことです。学校開設の目的は当社にとっては優秀な船員を確保することにありますが、むしろそれ以上に重要なのは教育の提供を通じてフィリピンの発展に貢献している、ということであり、大臣の賛辞はその点にあることに思い至ったのです。このところSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)をはじめとした持続可能な社会を目指そうとする動きが活発化しています。社会が抱える貧困や紛争、気候変動といった大きな課題に対して企業活動を通じて何ができるのか、企業の存在意義があらためて問われています。当社は一国の将来を左右する教育という分野を通じて、優秀な乗組員の育成・確保とともに、フィリピンの持続可能な発展に貢献しています。この例が示す通り外航海運を事業として営む当社が企業活動を通じて社会の持続的成長に貢献できることを皆さんと考えていこうと思った正月でした。

2018年を振り返って

さて昨年、日本では地震・台風・大雨と大きな自然災害に見舞われました。被害を受けた方々や地域にはお見舞い申し上げるとともに一日も早い復旧をお祈りします。これら自然災害は当社グループの船舶の運航や施設にも大きな影響を及ぼしました。海運マーケットに目を移すと、ドライバルクは順調、タンカーは年後半急回復したもののそれまでは厳しい状況が続きました。その他セクターも含め市場環境は全体としてまだら模様のなかではありますが、各部門ともその地力を発揮できたのではないでしょうか。これもMOLグループ役職員の日々のたゆまぬ努力の結果であり、改めて皆さんには感謝したいと思います。

また、今年は平成最後の年であります。振り返れば平成の世は海運にとって激動の時代でした。平成初期は世間のバブル景気を横目に海運業界は厳しい経営環境が続きました。2000年代に入ると、中国の経済成長や世界貿易の伸長とともに海運市況も高騰、空前の海運ブームが訪れます。当社は2007年には経常利益3,000億円を達成しました。その後ブームは終焉、リーマンショックやマーケットの乱高下といった荒波にもまれるなか、大きな構造改革を迫られた時期もあり、現在も難しい舵取りを迫られています。そんな数々の環境変化の中にありながらも当社は変革・成長を遂げ、平成元年には4,800億円であった売上高はこの30年で1兆6,500億円まで成長拡大しました。

昨年4月に営業開始した定期コンテナ船事業の統合会社オーシャンネットワークエクスプレス社では、初期のオペレーションの混乱もあって想定していた積取高には届かず、想定以上に厳しい船出となりました。しかし、三社統合によるコスト削減効果は統合前の見込みを上回って出てきており、また積取高と収益の回復に向け打つべき手は明確に見えています。これまでの結果については真摯に反省しつつ、出資会社としてガバナンスを効かせながら私自身も同社の取り組みへの関与をより一層深め、必要に応じた支援を行っていきます。

ローリングプラン2018における着実な成果

ローリングプラン2018では10年後のありたい姿である「ストレスフリーなサービスの提供」、「環境エミッションフリー事業のコア事業化」、「相対的競争力No.1事業の集合体」に向けた各種施策の深度化と、「価格競争力の強化」に力点を置いて活動してきました。

海洋事業では一昨年竣工した「MOL FSRU CHALLENGER」のトルコでの稼働開始や、洋上風力発電関連事業への参画など、当社が提供できるサービスメニューの拡大に取り組んでいます。ヤマルLNGプロジェクトでは砕氷LNG船による輸送が開始されました。物流分野ではMOL Worldwide Logisticsにブランド統合しました。ケミカル船事業ではMOL Chemical Tankers社がタンクターミナルなど事業領域の拡大に挑戦しています。その他の事業セグメントにおいても、安定収益確保を前提に、将来の飛躍に向けた投資を行ってきました。

10年後のありたい姿を支える重点強化項目について主要なものだけ列挙しますが、海技力では将来の当社運航船を支える人材育成の場としてフィリピン商船大の開校、ICTでは海陸間の情報伝達をよりスムーズにするFOCUSプロジェクトの始動、技術革新・環境エミッションフリー事業では将来のLNG燃料化の動きに備えたLNG燃料供給船への参画やLNG燃料タグの進水を実現しました。また、働き方改革では人事制度改革やRPA導入、さらにはワークプレイス改革といった人的競争力の強化や業務効率化の施策を通じて、ありたい姿実現に向け着実に前進しています。

2019年の見通し

外部環境は米中関係やHard BREXITなど世界政治・経済の面でも当社を取り巻く環境はより不透明さを増しています。特に外航海運業に直接的に影響することとして、2020年1月からスタートするSOx規制があります。当社のみならず海運業界の浮沈をかけた一大転換点といっても過言ではありません。残された時間はあと1年を切っています。オペレーション面の懸念はさることながら、営業・マーケティング面での対応準備は十分か、どのようなリスクがひそんでいるのか、今一度再点検が必要です。海運業のプロフェッショナルとしてこれまで培ってきた当社のあらゆる知識・経験を総動員して、この変化を乗り切りましょう。

今年はローリングプラン3年目となります。この2年間に積み上げてきた各方面での成果、取り組みをより現場・現業に近いところでのアクションに落とし込み、そしてそれを広げていくべき年であり、「ストレスフリー」というキーワードについて具体的なイメージを固めて行動にうつすときです。それだけでなく、さらなる飛躍のためにも、今年は当社が多少の荒波にも負けない強靭な足腰を維持し、そしてよりしなやかな体質に変わっていくために、特に収益力の強化という点にこだわっていきたいと考えています。収益性を高めるべく、昨年から取り組んでいるコスト競争力強化の取り組みも加速させましょう。

相対的競争力No.1とは

このような状況のもと、ローリングプランの中で昨年に引き続き私が強調したいのは「相対的競争力No.1」であること、それを目指すことです。No.1になるためには自分たちの競争力の源泉、つまり当社の強みは何なのかを冷静に分析し把握する必要があります。この分析において大事な視点はマーケットや競争相手たちを研究し自分たちと比較し自らの立ち位置を把握することであり、これがなければ一人よがりの自己満足に陥りかねません。「相対的」と称しているのはまさにこれを意識して欲しいからであり、皆さんには自分たちの強みや弱みを把握し、他社との比較の観点で強みをどう伸ばしていけるか、弱みをどう克服していくかを、一人ひとりが真剣に考えていただきたいと思います。

これまでの取り組みのなかで、私自身、具体的な事業案件への投資を決断する際にはこの考え方に基づいて判断していますし、今後事業ポートフォリオの選択と集中を進めるうえでの基準にしたいと考えています。いったん手を止めて一人でじっくり考えることも大切ですし、チームで議論して上司・部下がどう考えているのかを知ることも大事なことです。ぜひいろいろな方法で、さまざまな角度から自分たちの強みは何なのか考えることをお願いしたいと思います。

MOLグループの使命

昨年は年間を通じて4ゼロを念頭に安全運航に努めてきました。一方、長期日数の不稼働を伴う事故は撲滅できていません。安全運航は当社の根幹であること、ここに改めて誓いを新たにしたいと思います。安全運航は、社員全員が、一人ひとりが、決して妥協することなく、最優先で取り組むべき課題であること、私自身も実行しますし、社員の皆さんにも、強く求めたいと思います。

次に、昨年は世間では品質問題に対する企業の姿勢が問われた年でもありました。このことは当社も例外ではありません。コンプライアンス遵守は当社が持続可能な企業であるためには欠かせない要件です。

環境変化のなかにおいても、私たち商船三井グループには変わらない使命があると考えています。冒頭に話した当社の存在意義とは何か、にも通じるのですが、それはローリングプランで掲げてきたありたい姿を実現し、そのありたい姿を次世代につなげていくことです。一人ひとりが当社のありたい姿実現に関わっていることをしっかり自覚し、その姿勢・成果を次の世代に引き継いでいく。その意識をもつことで、皆さんの毎日の業務に少しずつ変化が生じてくると信じています。またローリングプランを完遂しありたい姿を実現することは、同時に商船三井グループが事業を通じて社会のサステナビリティに貢献していくことでもあります。ありたい姿実現に向けて、ともに汗をかきましょう。

最後になりますが、商船三井グループの全運航船の航海の安全を誓うとともに、全世界の商船三井グループの皆さんとご家族のご健康とご多幸を祈念して、私の新年のあいさつといたします。

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