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世界初のLNG発電船 KARMOL統一ブランドで発進
~商船三井とKarpowershipがモザンビーク・ナカラ向けLNG発電船事業を発表~

2019年08月30日

Karpower International B.V.
株式会社商船三井

株式会社商船三井(*1)(社長:池田潤一郎、本社:東京都港区、以下「商船三井」)とKaradeniz Holdings A.S.社(CEO:Osman Murat Karadeniz、本社:トルコ・イスタンブール、以下「Karadeniz」)(*2)は、商船三井とKaradeniz子会社であるKarpower International B.V.社(CEO:Orhan Remzi Karadeniz、本社:トルコ・イスタンブール、以下「Karpowership」)が“KARMOL(カルエムオーエル)”(*3)のブランドの下モザンビークにて世界初のLNG発電船事業を共同で実施し、そのためにFSRU(*4)及び発電船(*5)を共同で保有及び操業することに合意致しました。本発表に先立ち、商船三井とKarpowershipはTICAD 7(*6)において共同でプレゼンテーションを行い、LNG発電船ソリューションのコンセプトとモザンビークプロジェクトの概要について紹介しております。

LNG発電船事業とは、FSRUと発電船を組み合わせたものであり、FSRUでLNGを再ガス化して発電船に送り、発電船がそれを受け取り発電する仕組みです。このようにして発電された電気は、陸上にある送電設備を通じ、モザンビークの国営電力会社であるElectricidade de Moçambique(以下「EDM」)に供給されます。同プロジェクトに投入されるFSRUは既存LNG船の改造船を予定しており、2019年3月29日にリリースをした通り、既に改造を開始しております。同プロジェクトのサイト予定地であるナカラでは現在、発電船が重油での発電を行っていますが、EDMとの合意に従い、FSRU到着後にLNGでの発電に切り替えていくこととなっています。モザンビーク資源エネルギー大臣であるMax Tonela氏は、本事業について、「本事業は、産業の発展とエネルギーアクセスのために必要な電力をより容易に手に入るようにし、また発電に必要な燃料コストを低減させるという我々の国策に貢献するものである。本事業はモザンビークの未来にとって重要な燃料であるLNGにより成し遂げられる。」とのコメントを寄せています。

この数年でモザンビークは急激に経済成長を遂げており、それに伴い安価で安定した電力需要も増大しています。KARMOLのLNG発電船ソリューションは、120メガワットの発電能力を持ち、モザンビークの人々へ安定して信頼できる電力供給をもたらすとともに、モザンビーク国内のLNGを使用するための重要な設備ともなります。本事業は完成時には東南アフリカにおいて最初のLNG発電ソリューションかつ最初のFSRU事業となります。

商船三井とKarpowershipは今後とも世界中で、コスト競争力に優れ、強力なソリューションであるLNG発電船事業の提案を続けてまいります。

(*1) 商船三井は世界最大の海運会社の一つとして各種ばら積み船、LNG 船、RORO 船、原油タンカーなど多彩な分野で時代の要請にこたえる総合輸送グループであり、世界最大の液化天然ガス(LNG)船のオペレーターである。
https://www.mol.co.jp/index.html

(*2) Karpowershipの親会社であるKaradeniz Holdingsは1948 年にトルコで創業し、重工業機械・製品業界へと参入した。同社はトルコのみならず世界中でエネルギー業界をけん引するとともに、ファイナンス、不動産、造船事業も手掛けている。

(*3) 詳細は以下、2019年3月29日付プレスリリースをご参照ください。
商船三井と Karpowership が LNG 発電船事業におけるパートナーシップを構築~世界最大の発電船事業者とアジア最大の FSRU 事業者が共同営業・投資へ~

(*4) Floating Storage and Regasification Unitの略。浮体式LNG貯蔵再ガス化設備。洋上でLNGを再気化し、陸上パイプラインへ高圧ガスを送出する能力を持つ。

(*5) Karpowershipは2007年に、世界を照らし出し世界のエネルギー業界のパイオニアになるというビジョンを持ち、最初の浮体式発電設備である発電船の建造を開始した。
Karadeniz HoldingsはKarpowershipの世界的ブランドで発電船隊を管理する会社であり、世界初の発電船隊の唯一の所有・運転・建造者として、世界中に2,500人の従業員を擁して中長期的な投資を積極的に行っている。Karpowershipは足元ではインドネシア、ガーナ、モザンビーク、ガンビア、シエラレオネ、レバノン、セネガル等の諸国に合計 22隻の発電船隊を展開し保有・操業している。
詳細は以下の同社ウェブサイトをご参照ください。
http://www.karpowership.com

(*6) 第7回アフリカ開発会議の略。2019年8月28日~30日開催。


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EDM、Karpowership、当社によるモザンビークプロジェクトに関するセレモニー