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次世代型機関故障予兆診断アプリケーションの共同検討を開始
~『Fleet Guardian』の開発で本船のダウンタイム撲滅を目指す~

2019年12月24日

船舶維新 ISHIN NEXT

株式会社商船三井(代表取締役社長:池田潤一郎、本社:東京都港区、以下「商船三井」)は、株式会社ClassNKコンサルティングサービス(代表取締役社長:野村大吉、本社:東京都千代田区、以下「NKCS」)、株式会社IHI原動機(代表取締役社長:矢矧(やはぎ) 浩二、本社:東京都千代田区、以下「IHI原動機」)、および株式会社三井E&Sマシナリー(代表取締役社長:髙橋 岳之、本社:東京都中央区、以下「三井E&Sマシナリー」)と共同で次世代型機関予兆診断アプリケーションの開発に取り組むことで合意しました。

今回開発を目指す次世代型機関予兆診断アプリケーションは、NKCS提供の機関状態監視システム“ClassNK CMAXS LC-A/e-GICSX”(註1、以下「CMAXS」)とICT活用による安全運航強化と環境負荷低減を目指す商船三井のFOCUS(Fleet Optimal Control Unified System、註2)を融合させるものであり、最新のヒューマンフレンドリーな人工知能(Explainable AI:XAI)(註3)の新規実装も含めた、その名も“Fleet Guardian”の開発に向け、4社ONE TEAMで取り組みます。

Fleet Guardianを通じて本船上の機器の状態を陸上の支援要員と本船がタイムリーに共有することにより、本船のダウンタイム(不稼働時間)の撲滅とさらなる安全運航強化を目指します。

【今回の共同検討に関する各社の取り組み】

Fleet Guardianでは自動(予兆)診断結果と実際の運転状態の整合化を継続的に行うことで予兆診断の精度と速度が向上する仕組みの構築を目指すほか、乗組員の教育にも貢献する機能を組み込みます。CMAXSが自動診断結果を本船乗組員に容易に理解できるように設計し、使えば使うほど機器に対する知見と理解が深まる仕組みを目指す考えです。

ユーザーとメーカーが一体となって運用するシステムを構築することで、システム自体の継続的な精度向上と共に機器の状況変化に対する乗組員の理解を深めることで、機関故障によるダウンタイムZEROを目指します。

商船三井は、2016年11月に発表した「船舶維新NEXT~MOL SMART SHIP PROJECT~」の掲げる高度安全運航支援・環境負荷低減を推進すると共に、ICT技術を利活用したサービス向上を通じ、物流のビジネスパートナーとしてお客様に選ばれる企業グループを目指します。

(註1) 商船三井におけるこれまでのCMAXS活用については以下のリリースご参照。
2015年10月8日付プレスリリース「機関の予防保全・ライフサイクルコストの低減にビッグデータを活用~次世代型機関状態監視システムの実船試験を開始~
2017年7月19日付プレスリリース「機関プラントの予防保全・ライフサイクルコストの低減にビッグデータを活用~次世代型機関状態監視システムを、機能を拡張し実船に搭載~

(註2) これまでの『FOCUS』プロジェクトの取り組みについては以下のリリースおよびコンセプト図ご参照。
2018年10月15日付プレスリリース「始動!『FOCUS』プロジェクト ~ 業種を超えた協創、ICTを活用したデータドリブンな取り組みを通じて更なる安全運航強化・環境負荷低減を実現する ~
2019年5月21日付プレスリリース「FOCUSプロジェクト第一弾 実装 船舶管理強化アプリケーション『Fleet Viewer』をリリース ~Stress Free Operation with Big Data Analysis~

『FOCUS』プロジェクトのコンセプト図

(註3) XAIとはExplainable Artificial Intelligenceの略であり、結果を導き出すプロセスが人にとって説明可能である人工知能(AI)のこと。Fleet Guardianにおいては自動診断結果をエンジニアが容易に理解できるように説明することができるAIを指す。

エンジニアに対して説明可能なXAIのイメージ図(提供:IHI原動機)