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始動!自律化実現への実証航海
~日本財団と無人運航船の実証実験にかかる技術開発助成契約を締結~

2020年06月15日

船舶維新 ISHIN NEXT、無人運航船プロジェクト

株式会社商船三井(社長:池田潤一郎、本社:東京都港区、以下「当社」)および商船三井グループ二社は以下コンソーシアム企業と、公益財団法人 日本財団(以下「日本財団」)の助成金プログラム(以下「当プログラム」)に応募、今般契約を締結しました。

(コンソーシアムメンバー及び主要役割)

会社名 主要役割
当社 全体コーディネーション、リスク評価
三井E&S造船株式会社
(社長:古賀哲郎、本社:東京都中央区、以下「三井E&S造船」)
「判断」「操作」機能の開発
(避航操船、港内操船、離着桟操船の自動化)
古野電気株式会社
(社長:古野幸男、本社:兵庫県西宮市、以下「古野電気」)
「認知」機能の開発
(認知センサー統合、着桟支援センサー)
井本船舶株式会社
(社長:井本隆之、本社:兵庫県神戸市、以下「井本船舶」)
実証船・船員提供、運航計画作成
株式会社A.L.I. Technologies
(社長:片野大輔、本社:東京都港区、以下「A.L.I.」)
係船支援技術の開発
(ドローンを用いたヒービングラインの岸壁投下)
商船三井フェリー株式会社
(社長:大江明生、本社:東京都中央区、以下「商船三井フェリー」)
実証船・船員提供、運航計画作成
株式会社MOLマリン
(社長:稲岡俊一、本社:東京都港区、以下「MOLマリン」)
自動避航操船・自動港内操船・自動離着桟の
シミュレーション作成

当社がこれまで自律運航の各要素技術開発を協力して進めてきた三井E&S造船や古野電気と共に、離桟から着桟までの自律運航システムの確立を目的とした無人運航船の実証実験を、実証費用の8割を日本財団からの助成を受け、2020年から実施します。
実証航海は、古野電気が開発・所有するセンサーを用いた周囲認知技術や三井E&S造船が開発・所有する避航操船・離着岸自動化技術を用い、MOLマリンのシミュレーターで自律化の機能検証を行った上で、商船三井フェリーが所有・運航する大型内航フェリー及び井本船舶が所有し井本商運株式会社が運航する内航コンテナ船を用いて実施します。また、A.L.I.が新たに開発するドローンを用いた係船支援技術を内航コンテナ船に導入します。
当社はこれまで培ってきた運航管理の知見を活かして全体の管轄及びリスク評価を実施します。

当社では、新たな要素技術活用による安全運航の更なる向上と乗組員のワークロード(労働負荷)軽減という2つの目的を実現する施策として自律運航船の実現を挙げています。
当プログラムが対象とする内航海運はトンキロベースで我が国の国内貨物輸送の約4割、産業基礎物資の輸送の約8割を担う基幹的物流産業ですが、船員の高齢化による将来の担い手不足が顕在化しています。
当社は内航船の主要船型の一つであり労働環境の厳しい749トン型コンテナ船と、1万トン超の大型カーフェリーと異なる船型・設備の2船で実証を行うことで、汎用性の高い技術開発及び実証を進め、問題の解消に貢献するとともに、将来的に外航海運にも導入し、海難事故の約7割の原因となっているヒューマンエラーを減らし、より安全な運航の実現を図っていきます。

当社は、2016年11月に発表した「船舶維新NEXT~MOL SMART SHIP PROJECT~」の掲げる高度安全運航支援・環境負荷低減を推進すると共に、ICT技術を利活用したサービス向上を通じ、物流のビジネスパートナーとしてお客様に選ばれる企業グループを目指します。

(実証船の概要)

実証船 船種 実証航路 実証予定時期(註1)
さんふらわあ しれとこ
(商船三井フェリー保有船)
内航フェリー 大洗/苫小牧 2020~2021年
みかげ
(井本船舶保有船)
内航コンテナ船 敦賀/境港 2021~2022年

(註1) 今回の契約期間は2020年2月15日~2021年2月14日。それ以降の継続可否は進捗状況に拠る。

(当社の自律航行への取り組み)
当社の自律航行への取り組み