トップページ > プレスリリース 2021年 > FSRU向けLNG「再ガス冷熱発電」実証実験に成功 ~従来型FSRUと比べCO2排出量が半減~

FSRU向けLNG「再ガス冷熱発電」実証実験に成功
~従来型FSRUと比べCO2排出量が半減~

2021年08月17日

株式会社商船三井(社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「商船三井」)は、Daewoo Shipbuilding & Marine Engineering Co., Ltd.(President and CEO:Sung Geun Lee、イ・ソングン、本社:韓国・コジェ、以下「DSME」)とFSRU(註1)向けに共同開発中の「Cryo-Powered Regas(再ガス冷熱発電)」(註2)システムについて、DSME玉浦造船所での実証試験に成功しました。

FSRUでは、マイナス約160°CのLNGを海水で温めて再ガス化します。再ガス化する際にこれまで海水に排出していたLNGの冷熱を低沸点の熱媒体に移し、温度差だけで発生する熱媒体の蒸気を利用してタービンを回し発電することで FSRU自らが必要とする電力を賄うための燃料、およびFSRUからのCO2排出量を削減することができます。

今回、小型試験設備を用いて実証に成功し、これを実船規模に換算すると、FSRUが最大定格流量(註3)で再ガス化を行う場合にFSRUからのCO2排出量を従来型FSRUよりも約50%削減できることが見込まれます。
なお、再ガス冷熱発電システムのタービン発電機は三菱重工マリンマシナリ株式会社(社長:堀俊明、本社:長崎県長崎市)が独自に開発したものです。
再ガス冷熱発電システムを活用したFSRUからのCO2排出削減は「商船三井グループ 環境ビジョン2.1」(註4)達成に向けた戦略「さらなる省エネ技術の導入」(図1)に沿ったものであり、今回実証に成功した環境にやさしい技術を実装すべく、お客様に提案してゆきます。

タービン発電機イメージ図
(三菱重工マリンマシナリ株式会社による)

(註1) Floating Storage and Regasification Unitの略。浮体式LNG貯蔵再ガス化設備。洋上でLNGを再気化し、陸上パイプラインへ高圧ガスを送出する能力を持つ。

(註2) FSRU向けLNG「再ガス冷熱発電」の関連プレスリリースについては以下をご参照ください。
2020年2月21日付プレスリリース「FSRUにおける環境技術の共同開発・マーケティング契約に署名
2020年3月3日付プレスリリース「FSRU向けLNG「再ガス冷熱発電」システムの設計基本承認取得

(註3) 1日あたり5億立方フィートの送ガス量相当。

(註4) 商船三井グループ 環境ビジョン 2.1
商船三井グループ環境ビジョン2.1 | 環境 | サステナビリティ | 商船三井 (disclosure.site)

(図1)