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アンモニアFSRUのコンセプトスタディを完了
~ 洋上でアンモニアを貯蔵・再ガス化、脱炭素エネルギーとしての利活用を促進 ~

2022年02月03日

株式会社商船三井(社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「当社」)は、三菱重工グループの三菱造船株式会社(社長:北村徹、本社:横浜市西区、以下「三菱造船」)と協働し、浮体式アンモニア貯蔵再ガス化設備(以下「アンモニアFSRU」)に関するコンセプトスタディを完了しました。

加えて、当社、三菱造船、並びに関西電力株式会社(社長:森本孝、本社:大阪市北区、以下「関西電力」)の3社は、脱炭素エネルギーとしてのアンモニア導入に有効なアンモニアFSRUの将来的な導入検討を共同で実施することに合意し、覚書を締結しました。

イメージ:2隻のうち、左がアンモニア輸送船、右がアンモニアFSRU

アンモニアは、現在肥料原料としての利用が中心で海上輸送量も限定的ですが、燃焼時に二酸化炭素を排出しない次世代のクリーンエネルギーとして世界的に関心が高まっており、脱炭素化の流れの中で、アンモニアを戦略的に活用しようという動きが世界で始まっています。

FSRUは従来、液化したLNGを洋上で受け入れて貯蔵し、本船上で再ガス化を行い陸上へ送出する機能を有した浮体設備として用いられ、陸上に貯蔵タンクや再ガス化設備を建設する場合と比較して、工期が短くコストが安いというメリットがあります。本技術をアンモニアに活用する事で、アンモニア燃料の早期導入を実現し、環境負荷の低い次世代燃料の普及に寄与することが期待されます。

本コンセプトスタディでは、幅広いニーズに対応できるように、タンクサイズや、再ガス化方式の違いなど条件が異なる複数ケースについて仕様を検討しました。またFSRUで必要となる電力を将来的にアンモニア燃料で賄うことも視野に入れており、より環境にやさしいアンモニアFSRUのコンセプトデザインを構築しました。

当社、三菱造船、並びに関西電力は世界各地でのアンモニアFSRUの導入に向けた検討を進めて参ります。

また、当社は「商船三井グループ 環境ビジョン2.1」(図1)において「2050年までにグループ全体でのネットゼロ・エミッション達成」を中長期目標として掲げ、アンモニア燃料船、並びにアンモニア燃料供給船の開発やアンモニア輸送事業に取り組んでいます。
一方で、お客様の脱炭素への取り組みに貢献するとともに、当社事業活動での脱炭素を推進することによって、環境価値の事業化とカーボンニュートラル社会の実現に貢献して参ります。

(図1)