2022年05月10日
株式会社商船三井(社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「当社」)は、米国カリフォルニア州の船舶発電機排気処理事業会社Clean Air Engineering Maritime社(クリーンエアエンジニアリングマリタイム、本社:米国カリフォルニア州、以下「CAEM社」)と、港着桟中の自動車船から排出される大気汚染物質を低減できる新処理システム(図1)の開発へ資金提供を含め協力し、2025年から実用開始する契約を締結しました。
(図1)大気汚染物質新処理システム
米国カリフォルニア州では、大気汚染防止に向けた先進的な取組が行われています。なかでも「着桟中の船舶のディーゼル補機から排出される有害物質の措置についての規制(At-Berth Regulation)」では、港着桟中に排出する大気汚染物質(PM:ディーゼル微小粒子、NOx:窒素酸化物等)の削減が求められており、2007年にコンテナ船を対象に規制が開始され、2025年に自動車船も規制対象に加わる予定です。
CAEM社は、コンテナ船から排出される大気汚染物質を船舶煙管に接続した配管から直接吸入し、触媒を通じて当規制の規制値以下まで低減するシステムを開発し、2015年からカリフォルニア州Los Angeles港にてサービスを展開しています。当社は、CAEM社と協働して自動車船対応の新システムを開発し、年間寄港回数が70回を超え米国における主要寄港地となっている同エリアでの大気汚染防止に努めます。
契約締結時の様子
商船三井グループは、「商船三井グループ 環境ビジョン2.1」にて、気候変動対策に加えて、大気汚染防止、生物多様性保護、海洋環境保全を重要課題と位置付けています。環境規制に先進的な米国カリフォルニア州での自動車船を対象とする規制開始を契機に、陸上から船舶に電力を供給する陸上電源使用の検討に加えて、新たな手段としての当開発、使用を推し進めことで、重要課題の1つである大気汚染防止に努めます。