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石狩湾新港洋上風力発電事業設備向け作業員輸送船(CTV) 2隻の定期用船契約を締結
~国際安全基準のISM認証を内航CTVで初取得~

2023年06月15日

株式会社商船三井(社長:橋本 剛、本社:東京都港区、以下「当社」)は、清水建設株式会社と石狩湾新港洋上風力発電事業(以下「本事業」)設備向けのCrew Transfer Vessel(作業員輸送船 、以下「CTV」) (註1) 2隻に関する定期用船契約を締結しました。本件は当社グループ初となるCTV事業参入です。また、2隻の内当社保有の「KAZEHAYA」が、内航CTVで初めて国際基準の船舶安全管理システムであるISMコード(註2)認証を日本海事協会から取得し、本コードに則った運航を開始します。

2隻について、当社グループの株式会社商船三井内航(社長:小林 洋、本社:東京都港区)がCTVの運航を行い、2023年6月から、本事業の建設用途、洋上風車と陸上の作業員の輸送業務に従事します。当社グループでは通常外航船に適用される国際的な船舶安全管理システムを、内航船であるCTVにおいても適用する事で、より質の高いCTVサービスを今後国内各地で建設される洋上風力発電所向けに提供してまいります。

本事業は、株式会社グリーンパワーインベストメントが設立した、特別⽬的会社(SPC)合同会社グリーンパワー⽯狩(2016年2⽉設⽴)により開発が進められており、約500haの海域に風力タービンメーカーであるシーメンスガメサ社製の8MW風車14基の建設が計画されています。

日本政府は2050 年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボン・ニュートラルの実現を目指す事を宣言しています。中でも洋上風力発電は、将来の重要な電力源として位置づけられ、2026年頃から洋上風力発電設備の建設開始が本格化することが予想されています。当社グループは、本件を足掛かりとしてCTVの知見を深めるとともに、CTV事業を通じて今後拡大が見込まれる洋上風力発電普及に貢献してまいります。

当社グループは、「商船三井グループ 環境ビジョン2.2」に則り、持続可能な世界をつくるために、再生可能エネルギーの安定供給に貢献し、気候変動対策だけでなく自然資本・生物多様性の保護といった様々な地球環境への負荷低減を進めていきます。

【当社グループ 風力発電事業領域】

【CTV2隻の主要目】

  KAZEHAYA
(読み: かぜはや)
JCAT THREE
(読み:じぇいきゃっとすりー)
造船所 Damen Shipyard Singapore Damen Shipyard Gorinchem
全長 約26.3m 約26.3m
約10.0m 約10.0m
最大喫水 約2.4m 約2.4m
旅客定員数 12名 12名

(註1):【Crew Transfer Vessel(CTV)とは】
比較的離岸距離の近い洋上風車に対して、洋上風力発電所のメンテナンス技術者を、拠点となる港から送り届ける交通船。船首部分に取り付けられたフェンダーを洋上風車に押し付ける形で船体を安定させたうえで、メンテナンス技術者が洋上風車に移乗する。アルミ製の双胴船(Catamaran)が主流船型。

(註2):【International Safety Management Code(ISMコード)とは】
人為的ミスによる海難事故を防止するために国際海上安全人命条約(SOLAS 条約)が定める諸規則。 総トン数500トン以上の全ての外航船および500総トン未満の国際航海に従事する旅客船では強制適用され、内航船の場合は本規則に基づく審査・認証を日本海事協会から任意で取得できる。


商船三井グループが設定した5つのサステナビリティ課題
商船三井グループでは、事業を通じて優先的に取り組むべき社会課題として特定した「サステナビリティ課題」への対応を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献します。本件は、5つのサステナビリティ課題の中でも特に「Safety & Value -安全輸送・社会インフラ事業を通じた付加価値の提供-」、「Environment -海洋・地球環境の保全-」、「Innovation -海の技術を進化させるイノベーション-」にあたる取り組みです。