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メタノール二元燃料新造ばら積み船の定期用船契約に基本合意
~2030年までに「LNG/メタノール外航船90隻」を着実に推進~

2023年09月20日

株式会社商船三井(社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「商船三井」)のグループ会社である商船三井ドライバルク株式会社(社長:菊地和彦、本社:東京都港区)は、2023年9月11日に神原汽船株式会社(社長:神原宏達、本社:広島県福山市、以下「神原汽船」)と同社が発注・保有するメタノール二元燃料(註1)新造ばら積み船(以下「本船」)の定期用船契約に基本合意しました。本船は2027年に竣工予定です。

本船が主に使用する燃料としては、回収された二酸化炭素と再生可能エネルギーを利用して製造された水素を合成して生成されるeメタノールやバイオガス由来のバイオメタノールを想定しています。これら非化石原料由来のメタノールを活用することで、重油を燃料とする在来型同型船と比較し、温室効果ガス排出量(註2)の大幅な低減を図ります。

また、本船は様々な航路を想定して、必要な航続距離を確保できるメタノールタンク容量を設定しつつ、カーゴスペースも最大限活用できる仕様です。主な投入先航路として、北米東岸から欧州・英国向け、太平洋域内のバイオマス燃料輸送や南米東岸・米国ガルフ積み欧州・極東向けの穀物輸送などを想定しています。

メタノール二元燃料新造ばら積み船のイメージ図

商船三井は「商船三井グループ 環境ビジョン2.2」を策定し、2050年までのネットゼロ・エミッション達成を目標に定めています。その達成に向けた主要戦略の1つに「クリーン代替燃料の導入」を含め、2030年までにLNG/メタノール燃料船を90隻投入することを目指しています。加えて、有力なクリーンエネルギーとして世界的にメタノール燃料への関心が高まっている中、メタノール二元燃料船の整備のみならず、低・脱炭素メタノール燃料調達の面でも必要数量の確保に向けた取り組みを推進していきます。

商船三井グループと神原汽船は業界に先駆けメタノール二元燃料ばら積み船を導入し、その安全な保有・管理・運航を通じ、脱炭素化の実現に向けた社会全体の取り組みの一翼を担っていきます。

(註1) メタノールおよびバックアップ燃料としての重油の双方を燃料として使える二元燃料燃焼主機関を搭載。

(註2) 燃料の製造から消費までのライフサイクルにおけるネット排出量。

【定期用船契約の概要】

船主 神原汽船100%出資子会社
用船者 商船三井ドライバルク株式会社
用船期間 2027年~

【新造メタノール二元燃料ばら積み船の概要】

全長 約200.00m
約32.25m
喫水 約13.80m
載貨重量 約65,700MT
載貨容積 約81,500m3
建造造船所 常石造船株式会社

商船三井グループが設定した5つのサステナビリティ課題
商船三井グループでは、グループビジョンの実現を通じて社会と共に持続的な発展を目指すための重要課題として「サステナビリティ課題 (マテリアリティ)」を特定しています。
本件は、5つのサステナビリティ課題の中でも特に「Environment -海洋・地球環境の保全-」、「Innovation -海の技術を進化させるイノベーション-」にあたる取り組みです。