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商船三井・出光興産・HIFが、CO2の海上輸送を含む合成燃料(e-fuel)/合成メタノール(e-methanol)のサプライチェーン共同開発に関するMOUを締結

2024年03月19日

株式会社商船三井(代表取締役社長:橋本 剛、本社:東京都港区、以下「当社」)は、出光興産株式会社(以下「出光興産」)、合成燃料/合成メタノールを製造するグローバル企業のHIF Globalの子会社であるHIF USA LLCおよびHIF Asia Pacific Pty Limited(以下「HIF」)と、CO2の海上輸送を含む合成燃料(e-fuel)/合成メタノール(e-methanol)のサプライチェーンを共同開発することで合意しMOUを締結しました。

今後の協業イメージ

合成燃料/合成メタノールは、再生可能エネルギー由来のグリーン水素とCO2を合成することで生成することができます。製造から最終製品の利用までを含めたライフサイクル全体で低炭素化に大きく寄与することから早期実用化が期待されています。

実用化へ向けた課題として、合成燃料/合成メタノールの製造および輸送・供給に加え、原料となるCO2の安定確保があげられます。今回の共同開発では主に下記1から3の実現可能性を調査し、原料となるCO2の安定確保と輸送を含めた合成燃料/合成メタノールのサプライチェーン構築に取り組みます。

  • 日本から海外のHIFが手掛ける合成燃料/合成メタノール製造プラントへCO2を海上輸送することの実現可能性を調査します
  • 海外の製造プラントにてHIFが製造した合成燃料/合成メタノールを日本へ輸送するサプライチェーン構築の実現可能性を調査します
  • CO2の輸送と合成メタノールの効率的な海上輸送を検討します。

商船三井・出光興産・HIFは、エネルギー・輸送業界の脱炭素化をリードすべく、原料となるCO2の海上輸送を含め、合成燃料/合成メタノールのサプライチェーン確立にむけて共同で検討を行うと共に、潜在的なビジネスチャンスを協働で開拓していきます。

【各社の役割】

会社 役割
商船三井
  • 合成燃料/合成メタノールおよびCO2の国際海上輸送に関する知見を提供
出光興産
  • 日本国内におけるCO2の回収およびその活用検討(原料化)
HIF
  • 合成燃料/合成メタノールに関する知見提供およびCO2の有効活用検討

【合成燃料/合成メタノールのサプライチェーンイメージ】

出光興産について

出光興産は2022年11月に発表した「中期経営計画(2023~2025年度)」において、下記3つの事業領域の社会実装を通じ、事業ポートフォリオ転換を推進することを表明しました。

本取り組みは当社が掲げる2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向けた3つの事業領域のうち「一歩先のエネルギー」「多様な省資源・資源循環ソリューション」の開発と社会実装に向けた取り組みと位置付けています。出光興産は合成燃料等の実用化と普及の促進により、カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。

HIFについて

HIF Globalは、低コストの再生可能エネルギーをベースに、水素を既存のインフラで輸送・利用可能なカーボンニュートラル液体燃料に変換するプロジェクトを推進する、世界有数の企業です。HIFという社名は「地球の脱炭素化を可能にするHighly Innovative Fuelsを提供する」という会社の理念を表しており、HIF LATAM、HIF USA、HIF ASIA PACIFIC、HIF EMEAなど、グローバルに事業を展開しています。2022年12月にチリのマガジャネス州にあるHaru Oni実証プラントから初めての合成燃料の生産を成功させ、今後は米テキサス州での商業規模のHIF Matagordaプラントの建設、豪州タスマニア州でのプラント建設を予定しています。
https://hifglobal.com/


<商船三井グループが設定した5つのサステナビリティ課題
商船三井グループでは、事業を通じて優先的に取り組むべき社会課題として特定した「サステナビリティ課題」への対応を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献します。本件は、5つのサステナビリティ課題の中でも特に「Environment -海洋・地球環境の保全-」、「Innovation -海の技術を進化させるイノベーション-」にあたる取り組みです。