2024年04月08日
株式会社商船三井(社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「商船三井」)は、アフリカにおけるグループ事業拡大を目指し、アフリカ最大級のベンチャーキャピタルであるNovastar Ventures Ltd.(読み:ノバスター ベンチャーズ、本社:英国、代表:Steve Beck、Andrew Carruthers、以下「Novastar」、註1)が運営するアフリカスタートアップ向け投資ファンドNovastar Ventures People and Planet Fund III LP(以下「本ファンド」)への出資を決定しました。
Novastarは年間100社以上のアフリカのスタートアップ企業をスクリーニングし、アフリカの社会課題解決、経済発展に大きく貢献するスタートアップ企業に多くの投資実績があります。同社が運営する本ファンドへの出資を通じ、パートナーとなり得る有望なスタートアップ企業などの最新情報を獲得し、成長分野での我々の事業展開加速につなげます。
商船三井は1926年に日本の海運会社として初めて日本とアフリカ東岸を結ぶ航路を開設し、これまで約100年にわたりアフリカ発着の海上輸送を行ってきました。近年では、海上輸送にとどまらず航空輸送のフォワーディング事業や、陸上輸送、倉庫事業、日本の中古農機輸出事業を含む様々な事業をグループで積極展開しています(註2)。今後、急激な人口増加と、再生可能エネルギーとしてのポテンシャルを含めた豊富な資源による市場・商機拡大が見込まれるアフリカにおいて、海運をベースとした物流事業の更なる拡大、グリーンエネルギー(E-モビリティ、洋上風力発電、水素・アンモニア関連ビジネス等)や農業・食のサステナビリティをはじめとした、アフリカにて成長が見込まれ且つ社会課題解決にもつながる分野での事業機会創出・推進を目指します。
商船三井グループは、経営計画BLUE ACTION 2035において、サステナビリティ課題への取組を計画の中心に据え、社会課題や環境面にも貢献した、持続的な成長の実現を目指し、また、地域戦略としてもアフリカを含む新興国地域での事業拡大を掲げており、本出資も活用し、アフリカ地域での事業推進を加速してまいります。アフリカにおいては“社会課題の解決”と“スピーディー且つ大規模な事業化”の両立を果たそうというスタートアップ企業が多く存在しており、Novastarの豊富なネットワークを通じて、価値観が共有できるパートナーと共にビジネスチャンスを掴むと同時に、アフリカ社会に貢献していくことを目指します。
【本ファンドの概要】
運営会社 | Novastar Ventures Ltd. |
投資対象分野 | E-モビリティ、農業、再生可能エネルギー、ロジスティクス、フィンテック、コールドチェーン、アフォーダブルハウジング、小売・消費財、等 |
対象地域 | アフリカ全土 |
ファンド総額(予定) | 2億米ドル |
投資開始時期 | 2024年6月(予定) |
オフィス拠点 | ロンドン、ナイロビ、ラゴス |
運営会社ホームページ | https://www.novastarventures.com/ |
(註1) Novastarは2014年に設立されたアフリカ最老舗のベンチャーキャピタルで、これまでNovastar Ventures East Africa Fund I LPとNovastar Ventures Africa Fund II LPの2つのファンドを通じて、世界中の投資家から2億米ドル以上を調達し、E-モビリティ、農業、医療・ヘルスケア、通信、小売・消費財、フィンテック(金融分野にIT技術を組み合わせることで生まれた新しいサービスや事業領域)などのセクターにおいて、社会と環境の両方に重要な価値をもたらす画期的な事業を行うスタートアップ企業に投資し、アフリカの社会課題や環境問題の解決、人々の生活改善、経済成長の実現に貢献してきました。Novastarは国連が推進するPRI (Principles for Responsible Investment)や国際金融公社(IFC)が推進するOperating Principles for Impact Managementなど国際的なインパクト測定のフレームワークを導入し、経済的リターンと並行して社会的インパクトを投資家に報告しています。また、多くの日本の事業会社との協調投資の実績を持っています。
(註2) 商船三井は、ケニアにおいて現地法人MOL Shipping (Kenya) Ltd.と、グループ会社の商船三井ロジスティクス株式会社(以下「MLG」)のナイロビ支店を有し、アフリカ発着の海上輸送、航空輸送のフォワーディング事業を行っています。23年5月にはケニアにおけるロジスティクス会社General Cargo Service Limitedと戦略的提携を目的とした覚書を締結し、ケニアや周辺諸国において、フォワーディング、通関、倉庫マネジメント、陸送等を含むトータルロジスティクスサービスを共同で提供しています。23年7月には、ナイロビにて物流ジャパンデスクを設置し、商船三井グループ初となるアフリカでの自社グループ運営の倉庫の営業も開始しました。24年1月には、MLGとともに、ケニアの大手 医療用品製造会社Revital Healthcare (EPZ) Limitedと、ケニア・モンバサ経済特区での医療用品・医薬品の物流センター建設に向けた戦略的提携についての覚書を締結しました。
商船三井グループが設定した5つのサステナビリティ課題
商船三井グループでは、グループビジョンの実現を通じて社会と共に持続的な発展を目指すための重要課題として「サステナビリティ課題 (マテリアリティ)」を特定しています。本件は、5つのサステナビリティ課題の中でも特に「Safety & Value -安全輸送・社会インフラ事業を通じた付加価値の提供-」、「Environment -海洋・地球環境の保全-」、「Human & Community -人の活躍と地域社会の発展-」にあたる取り組みです。