Ship Energy Efficiency Management Plan(船舶エネルギー効率管理計画書)。
2012年にIMOにて採択、2013年から個船ごとにエネルギー効率を改善する運航手法を選択し、その実施計画について文書化して船上に備えることを義務化したもの。対象は新造船と既存船。
DCS
Data Collection System(燃料消費実績報告義務制度)。
2016年IMOにて採択され、2019年から導入された各船舶のCO2排出量実績、航行距離実績をIMOに報告する制度。本制度により収集されたデータを元に各船のCII評価が行われたり、Market Based Measures(経済的手法)の導入検討等、IMOのGHG排出削減に向けた戦略のデータ元として使用されている。今後、報告義務内容・項目について拡大が検討されている。
EU-MRV
EU-Monitoring, Reporting, and Verification of carbon dioxide emissions(欧州燃費報告制度)。
欧州議会において2015年に採択、2018年より導入された欧州独自の燃費報告制度。EU加盟国管轄内の港に寄港する総トン数5,000トンを超える船舶について、燃料消費量、航行距離、積載貨物量等のデータ収集・報告を実施するための監視計画書及び排出報告書の作成、認証機関への提出が義務付けられるもの。今後、報告義務内容・項目について拡大が検討されている。
EU-ETS
EU-ETS(European Union Emission Trading System)は、2005年より導入された欧州独自のGHG排出権取引制度で、2024年1月より海運セクターへの適用が開始された。キャップ・アンド・トレード方式が採用されており、EU加盟国管轄内の港に寄港する船舶は、GHG排出量に応じた排出枠(EUA)を購入し、EU当局が指定する国へ提出する必要がある。期日までに排出枠の提出ができなかった場合、罰金やEU港への航行禁止といった罰則が科される。
排ガス中のSOx量、PM量を抑制するため、燃料油に含まれる硫黄分含有率を規制するもの。規制値は段階的に強化されてきており、2015年には排出規制海域(ECA:Emission Control Area(*))でにおける硫黄分含有率が0.1%まで、2020年には一般海域における硫黄分含有率の規制値が0.5%へ引き下げられた。これにより、規制に適合した燃料油(規制適合油)の使用、SOxスクラバーの導入、代替燃料への転換などの対応が求められる。
(*) ECA:Emission Control Area(排出規制海域)。現在ECAに指定されているのは次の3海域。(1)米・加沿岸200海里海域(NOx及びSOx)(2)米国カリブ海海域(NOx及びSOx)(3)バルト海および北海海域(現在SOxのみ。2021年以降の起工船舶はNOx3次規制も対象となる)