2012年01月19日
無線機能を備えたポータブル液面計
このたび当社は、ムサシノ機器株式会社と共同で、補油時における燃料油の液面計測作業を効率化し、より精度が高い計測を可能とした燃料油タンク用ポータブル液面計を、世界で初めて開発しました。これにより乗組員の作業を軽減するとともに、タンクから燃料油がオーバーフローするトラブルを防ぐ効果が期待できます。
開発・導入の背景
固定式の液面計が装備されている船舶においても、補油中には、オーバーフロー防止ならびに補油量確認のため、乗組員は甲板から測深テープを垂らし、液面高さを手作業で計測します。この作業は、熟練が必要であり、同時に複数のタンクに対し行うので、乗組員の作業負担となっておりました。
今回開発した液面計は、燃料油タンク内に投入された受圧式センサーが液面圧の変化を感知するため、タンク内の燃料油の液面高さを正確に、かつ短時間で計測できます。また、無線機能が装備されているため、コンピューター上で複数のタンクを一括監視することも可能です。その結果、計測作業を効率化し作業負担を軽減するとともに、補油中のオーバーフローを防ぎ、船外に流出するといった万が一の海洋汚染事故の防止効果が期待できます。
昨年12月に複数の船主および船舶管理会社を本船に招いて、デモンストレーションを実施しました。補油時におけるオーバーフロートラブル、ならびにカプチーノ現象の問題は、海運業界の共通した課題であり、参加者からは「オーバーフロートラブル防止効果が期待できる」と関心の高さが伺えました。
当社は、中期経営計画「GEAR UP! MOL」で海洋汚染防止を含む安全運航の強化を掲げ、"世界最高水準の安全運航"を目指しており、今回の新技術の開発はその取り組みの一つです。今後も安全運航に寄与する技術の開発および導入を積極的に進めます。