入社式社長挨拶

2013年04月01日

当社は、4月1日付で34名(海上新卒採用8名、陸上新卒採用26名)の新入社員を迎えました。入社式における社長 武藤光一の挨拶を下記のとおりお知らせします。


入社式で新入社員に力強いメッセージを送る社長 武藤光一

皆さん、入社おめでとう。皆さんが大海原を航海する「商船三井グループ」という船の乗組員として新しい仲間となったことを心より歓迎します。

さて、私たちが航海する海は穏やかな時もあれば、時化の時もあります。当社は、今、まさに大変な時化と向き合っていることはご存じの通りです。新入社員として厳しい環境を経験する事は、皆さんの強い力となり、成長の糧になると信じています。一日も早く嵐を抜け出すよう一緒に頑張りましょう。

社会、経済は前例のないほど地球規模で目まぐるしく変化しています。その変化する時代にあって、これから当社を支えていく皆さんに、社会人として、忘れずに心がけていただきたいこと、約束してもらいたいことを、これから3つお話ししたいと思います。

  • (1)仕事をする上で
    会社に寄りかかるのではなく、自分は会社にどのような貢献ができるのか、どのような価値を生み出すことができるのか、常に考えて行動することを求めます。加えて、自分で考え、自分で責任を取るという心構えで仕事に取り組んでください。会社というのは一人ひとりの価値の集合体です。一人ひとりが果たした貢献が積み重ねられて大きな価値となり、単純な足し算ではなく掛け算となって更なる大きな価値となって表れてきます。価値の集合体を大きくする一員として責任ある行動をしてください。主体的に行動を起こし、必ず自分が価値を生み出している、会社を支えている気概で、たくさんの汗をかいて欲しいと思います。
  • (2)素養・資質について
    世界の多様な変化の兆しや潮目を先取りして、大局観をもって粘り強くやり抜く行動力を求めます。それには大きな構想と地道な努力に裏打ちされた強い個がなくてはなりません。「着眼大局、着手小局」という言葉を大切にしています。まずは、足元の仕事をやりぬくことを常に意識し、実践してください。大局観を身につける要諦は、まずは一生懸命自分で考えて、着実に業務を行い、加えて周りのことに関心をもつこと。さらに、新聞・経済紙をよく読んで、社会で何が起き、経済がどういうように動いているかに注意を払うという継続的な努力です。もちろん、グローバルなフィールドで活躍する上では、コミュニケーション力、相手を理解する・動かす対話力、そして英語力も重要になります。ジャパニーズ・イングリッシュで十分ですから、大いに英語力を鍛えることを求めます。また、安全運航は当社のコアコンピテンスです。安全運航のための技術を徹底的に身につけてください。
  • (3)組織で働く人間として
    プロの社会人となりました。ルール・約束を守り、倫理に則り行動することは当然ですが、組織で働く者としては、協調精神、コミュニケーション能力、相手を説得する力・説明力であるアカウンタビリティを身につけることを求めます。社内外問わず深い議論により、時にぶつかりあいながらも、様々な経験を通じて、相手と上手く仕事を進める能力、組織を動かしていくリーダーシップを発揮することを皆さんに求めます。

商船三井は、1884年創業の大阪商船を前身として、本日129年目の創立記念日を迎えます。長い歴史を支えた先輩たちは、額に汗して英知をかたむけ、弛まぬ努力を続け、幾多の艱難辛苦を乗り越えてきました。これから皆さんの目の前に大きな山、深い谷が立ちはだかることもあるでしょう。決して楽しいことばかりではなく、苦しいこともたくさんあるでしょう。山は高いほど、谷は深いほど、壁は高いほど、チャレンジしたい気持ちになる者が集まっています。若い皆さんにとっては、特に現下の厳しい状況下、困難に立ち向かい、心を開き、誠実に行動すれば、将来かけがえのない財産となります。頑張っていきましょう。

これから皆さんが活躍する海運業には無限の可能性が広がっています。海運業はものを動かすことにより価値を生み出し、世界経済に貢献し、世界中の貧富の格差を少なくし、人々を豊かに幸せにする産業です。世界中で事業展開している商船三井グループは、これからの皆さんの夢・希望・大きな志を実現し、人生を託すにふさわしい舞台です。

その舞台において、どんな難題に直面しても、常に当事者意識を持ち、解決策を見出し、関係者と協調しつつ、自らその解決策を実践し、新しい価値を生み出していく自律自責型の人材を目指して着実に前進してください。

商船三井グループと共に歩み、よき社会人として、心身共に健やかで、より充実した人生を送られることを祈念して、私の挨拶とさせていただきます。


入社式での集合写真