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大型原油タンカーへのバラスト水処理装置の搭載工事を完了

2013年04月16日


写真:搭載工事を完了した大型原油タンカー「LIBRA TRADER」をバックに、船舶管理を担うMOL Tankship Management (Asia) Pte Ltd社や造船所関係者

2013年1月10日付でお知らせのとおり、当社は邦船社で初めて、就航中の大型原油タンカー(1隻)に、強制化に先行してバラスト水処理装置を搭載することを決定していましたが、このたび「LIBRA TRADER」に対して、シンガポールのKEPPEL造船所にて同装置の設置工事を完了しました。
同船は既に航海に復帰しており、今後は同装置の調整運転を経て、実際の運用を行う予定です。

また、本件は大型原油タンカーの入渠工事集積地であるシンガポールに於いて、初めての搭載工事実績となります。

原油タンカーにおけるバラスト水処理装置の設置工事は、非常に狭隘な区画であるポンプルームが主要な施工場所となり、高度な安全管理、工程管理が求められます。設置工事は事前の準備・計画段階から施工完了まで、造船所と十分な協議を行いながら実行されました。
当社は、これらの搭載計画ならびに実際の設置工事を通じて得た知見を基に、今後の円滑な対応に向けて準備を進めてまいります。

貨物の積荷役にあわせて排出されるバラスト水は、海洋生物を越境移動させ、海洋生態系および生物多様性の保全に対し影響を与える恐れがあり、1980年代後半から国際的に問題視されるようになりました。これを受けてIMOで2004年2月に「バラスト水管理条約」が採択され、発効に向けて批准が進んでいます。

本船への搭載プロジェクトは、当社の環境戦略目標の一つ、「生物多様性保全への貢献」に対する取組みの一環であり、当社は今後も、低環境負荷輸送ソリューション提供のための活動を推進してまいります。あわせて、搭載工事経験及び運用経験を蓄積していくことで、批准が進むバラスト水管理条約への円滑な対応準備を進めてまいります。

本船概要

船種 : 大型原油タンカー(VLCC: Very Large Crude Oil Carrier)「LIBRA TRADER」
船籍/船級 : マーシャル諸島/日本海事協会
船舶管理会社 : MOL Tankship Management (Asia) Pte Ltd
載貨重量 : 約30万トン
全長 : 333m
全幅 : 60m

バラスト水処理装置概要

メーカー : JFEエンジニアリング社製
処理能力 : 3,500m3/h x 2台(防爆型)、350m3 x 1台 (非防爆型)
処理方式 : フィルター 及び 薬剤注入処理