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新型帆装装置「Power Assist Sail」の陸上実証試験を開始
- 帆を用いた船舶のCO2排出量削減装置を三井造船と共同開発 -

2013年07月03日


写真(1) Power Assist Sailプロトタイプ

当社は、三井造船株式会社(田中孝雄社長、以下「三井造船」)、株式会社三井造船昭島研究所(高品純志社長、以下「三井造船昭島研究所」)、および一般財団法人日本海事協会(上田德会長、以下「日本海事協会」)とともに、船舶から排出されるCO2の削減に寄与する新型帆装装置「Power Assist Sail」に関する共同研究を実施しております。
このたび、実船搭載可能な実機スケールのプロトタイプ(写真(1))を製作し、三井造船大分事業所内にて2013年6月から陸上での実証試験を開始しました。

本装置は、横風時には飛行機に対してと同様に発生する揚力を、追風時には抗力を、それぞれ主に利用することで船舶の補助推進力の増加に寄与します。
実船搭載時には、搭載する船舶の規模と、目標とする CO2削減効果に応じて、搭載する基数を調整し、適切な帆装システムを実現します。既存の船舶の設計を大幅に変更することなく搭載できることを目指しており、そのCO2削減効果は2~5%を想定しています。
今回の陸上での実証試験により、本装置の性能と耐久性を確認するとともに、実船搭載を行うための改良点の抽出を行います。

当社は単年度経営計画「RISE 2013」の環境戦略の一つとしてCO2排出削減への取組みを進めており、今回の開発はその一環であります。今後も環境負荷低減に資するあらゆる技術の導入に積極的に取り組んでいきます。

Power Assist Sail主要目

全高 : 27.5m 帆高 : 20.0m
帆幅 : 10.0m 帆面積 : 200m2
総重量 : 約60トン 駆動方式 : 油圧式

Power Assist Sail特長


写真(2) 格納動作中

  • 帆本体はアルミ合金製、マストおよび駆動部分は鋼製であり、耐久性に優れる。
  • 風向・風速、船速、船首方位に応じて最大の推力が得られるように、帆角度を自動制御する。
  • 荒天時、あるいは無風時には、マスト下部を水平に屈曲させて格納可能な機構を設けており(写真(2))、船舶の運航に与える影響を最小限に留めることが可能である。

なお、本研究開発は日本海事協会の「業界要望による共同研究」のスキームにより研究支援を受け、2012年6月より実施されております。