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LNGを燃料とする石炭専用船の設計基本承認を東北電力、名村造船所と共同で取得
~次世代石炭専用船の開発に着手~

2017年12月06日

船舶維新NEXT株式会社商船三井(社長:池田潤一郎、本社:東京都港区、以下「商船三井」)はこのたび、東北電力株式会社(社長:原田宏哉、本店:宮城県仙台市、以下「東北電力」)、株式会社名村造船所(社長:名村建介、本社:大阪府大阪市、以下「名村造船所」)と共同で新型石炭専用船を対象に、ロイド船級協会(本社:英国)より、LNG燃料対応設計の基本承認(AIP;Approval in Principle)を取得しました。

本件は石炭輸送船を対象として、商船三井が東北電力、名村造船所と研究を進めたもので、リスクアセスメント(HAZID;Hazard Identification Study)(註1)を実施し、今般基本設計を終えました。

船社、荷主、造船所による3社共同のLNG燃料船AIP取得は本邦初となります。
本船の特徴として、LNG燃料タンクを船尾区画に設置することにより、船型を大型化することなく、貨物艙容積を確保した設計としています。また、LNG燃料タンクへの延焼を防ぐ防火構造や、点検作業性を考慮してタンクカバー付きを検討しました。

船舶からの排出ガス規制が国際的に強化される中、従来の舶用燃料重油と比較し、SOxに加えて、地球温暖化の原因となるCO2や、酸性雨等の原因となるNOxの排出量も大幅に削減できるLNGは、船舶用燃料としての普及拡大が見込まれています。商船三井はLNG燃料対応の検討に加えて、研究開発プロジェクト「船舶維新NEXT~MOL SMART SHIP PROJECT~」(註2)の推進により得られる知見や技術を導入した最新鋭の石炭専用船の検討を進めることで、環境負荷低減に努め、安全、安心な輸送サービスを提供していきます(註3)。


LNG燃料タンクの配置場所


AIP証書を受領した様子

(註1)HAZID(Hazard Identification Study):システムの潜在的危険についてその危険の大きさと発生頻度を専門家間で討議し、システム全体として十分な安全性を持つようにするリスク評価・管理手法。

(註2)プロジェクトのコンセプトは2016年11月24日付プレスリリース「『船舶維新NEXT ~MOL SMART SHIP PROJECT~』発足」をご参照ください。

(註3)商船三井は2017年4月1日付の組織改編において、LNG等の代替燃料船への取組みの加速、LNG等燃料供給事業への参入を一元的に取り扱う燃料室を新設しました。詳細は2017年2月24日付プレスリリース「組織改編の件」をご参照ください。