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北越コーポレーション向け木材チップ船 “SOUTHERN TREASURE”が竣工

2019年11月05日


SOUTHERN TREASURE (海上公試時)

株式会社商船三井(社長:池田潤一郎、本社:東京都港区、以下「商船三井」)が運航する船倉容積約430万キュービックフィート型の木材チップ輸送船“SOUTHERN TREASURE“(読み:サザン・トレジャー)が10月31日、株式会社大島造船所(社長:平賀英一、本社:長崎県西海市)にて竣工しました。本船は北越コーポレーション株式会社(社長:岸本晢夫、本社:東京都中央区、以下「北越コーポレーション」)向け木材チップ輸送に従事します。

本船はSOxスクラバーやバラスト水処理装置を搭載し各種環境規制(註1)に対応しているほか、Seaworthy Bow(荒天時の速力低下を軽減する船首形状)や改良型船尾形状の最新鋭船型、Advanced Flipper Fins(推進効率向上のための省エネ装置)などの大島造船所開発技術やPBCF(Propeller Boss Cap Fins)(註2)を搭載し、さらには電子制御エンジンや低摩擦船底塗料などを採用して環境に配慮した仕様としており、従来の木材チップ船に比べて大幅なCO2削減を実現しています。

船名の“SOUTHERN TREASURE”は、チリ、南アフリカ、豪州、ベトナム等、日本から見て南方の(”SOUTHERN”)国々で生産され、北越コーポレーションに届けられる贈り物/宝物(“TREASURE”)である木材チップに因み、その贈り物/宝物を運ぶ「宝船」との意味も込めて命名されました。
商船三井は今後も国内外の製紙会社をはじめとするお客様に向けて、環境に配慮しながら安全・安定的に木材チップを輸送し、資源の安定供給に寄与していきます。

【本船概要】

全長 210.00m
全幅 37.00m
深さ 22.80m
貨物鎗容積 4,326,015cft

(註1)

  • 排出ガス規制:国際海事機関(IMO)で採択されたMARPOL(マルポール)条約では、2005年に発効した附属書VIで船舶からの大気汚染防止のための規制が設けられ、以来、国際的な排出ガス規制が強化されてきました。2020年1月からは一般海域の船舶燃料油の硫黄分濃度規制値(現行3.5%以下)が0.5%以下に強化されます(指定海域においては2015年1月より開始済み)。規制に適合した燃料油の使用、或いは船舶への排ガス浄化設備(SOxスクラバ―)の搭載・使用が求められます。
  • バラスト水管理条約:貨物の積荷役に合わせて行うバラスト水の排出は、海洋生物を越境移動させ、海洋生態系に対して影響を与える恐れがあるとして、バラスト水及び沈殿物の管制及び管理を行う為に2017年9月に発効された国際条約。批准国はIMO(国際海事機関)が認証したバラスト水処理装置を搭載し、バラスト水に含まれる生物を基準値以下とすることが求められます。

(註2)
「PBCF(Propeller Boss Cap Fins)」はプロペラの効率を改善させ、船舶の燃料消費量を削減できる省エネ装置であり、商船三井を中心とした企業グループが開発したものです。