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WFS社向けメタノール専用船の長期定期貸船契約および新造船建造契約に合意

2020年12月07日

株式会社商船三井(社長:池田潤一郎、本社:東京都港区、以下「商船三井」)は、Waterfront Shipping Company Limited(社長:Paul Hexter、本社:カナダ・バンクーバー、以下「WFS社」、読み:ウォーターフロントシッピング)(註1)と、メタノールを燃料とする新造メタノール専用船2隻(以下、本船)の長期定期貸船契約を締結しました。本船は環境負荷の低いメタノールおよび重油を燃料として使用できる2元燃料エンジンを搭載します。2021年、2023年にそれぞれ現代尾浦造船(韓国)で竣工し、WFS社向けメタノール輸送に従事する予定です。

2元燃料メタノール専用船の”Taranaki Sun”

商船三井は、2016年に竣工した世界初となるメタノールおよび重油の2元燃料エンジン搭載のメタノール運搬船(註2)である“Taranaki Sun(タラナキサン)”、“Manchac Sun(マンチャックサン)”、“Cajun Sun(ケイジャンサン)”の3隻を保有し、WFS向け長期貸船契約に投入しています。本船はそれに続く4・5隻目となり、商船三井は世界最大級のメタノール燃料船の船隊を有します。本船は就航中の3隻同様、当社グループのMOL Tankship Management Pte Ltd(本社:シンガポール、読み:MOLタンクシップマネージメント、以下「MOLT」)が船舶管理を実施し、メタノール燃料船の船舶管理の経験、知見を活かし、環境負荷の低減を図ります。

メタノールは環境にやさしい燃料で、重油と比較し、硫黄酸化物(SOx)排出量がほぼゼロとなることに加え、窒素酸化物(NOx)の排出量を著しく低減できます。また本船は国際海事機関(IMO)が定めるNOx(窒素酸化物)三次規制(註3)等の環境規制にも対応しています。

商船三井は、世界最大級のメタノール専用船保有船社として、これまでに培ってきた経験、ノウハウを生かし、幅広い顧客のニーズに応えることで、メタノール輸送サービスのさらなる拡充に取り組みます。

併せて、商船三井グループは「環境ビジョン2.0」において環境課題に向き合いグループの総力を結集して持続可能なネットゼロGHGエミッションの実現を目指しており、今後も環境負荷低減に積極的に取り組んでいきます。

(註1) WFS社について:
世界最大のメタノール専業生産者・トレーダーであるMethanex Corporation(John Floren社長)の100%出資法人。WFS社は、世界最大規模のメタノール輸送会社であり、北米、太平洋地域、欧州、ラテンアメリカを中心に、メタノールを中心とした化学品や石油製品の安定輸送を行っています。

(註2) 2017年7月10日プレスリリース「シップ・オブ・ザ・イヤー2016「技術特別賞」を受賞」をご参照下さい。

(註3) NOx(窒素酸化物)三次規制について
エンジン排ガス中のNOx量を段階的に規制するもの。1次規制では2000~2010年起工船に対し、エンジン定格回転数に応じた排出量の規制値を規定。2次規制では2011年以降起工船に対し、1次規制から15.5~21.8%削減することが求められる。排出規制海域(Emission Control Area(ECA))では2016年以降起工船が対象となる3次規制があり、1次規制から80%削減することが求められる。