トップページ > プレスリリース 2021年 > カムチャッカおよびムルマンスクにおける世界最大級の浮体式LNG貯蔵設備(FSU)案件に関し、ロシア国営リース会社GTLKと基本合意書を締結

カムチャッカおよびムルマンスクにおける世界最大級の浮体式LNG貯蔵設備(FSU)案件に関し、ロシア国営リース会社GTLKと基本合意書を締結

2021年09月02日

株式会社商船三井(社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「当社」)は、ロシア運輸省傘下の国営リース会社であるPublic Joint-Stock Company “State Transport Leasing Company”(本社:ロシア、以下「GTLK」(註1))と、ロシア・カムチャッカおよびムルマンスクでのLNG積替基地案件(以下「プロジェクト」)(註2)に関し、GTLKが100%出資するFSU(Floating Storage Unit、浮体式LNG貯蔵設備)保有会社に出資参画する方針について基本合意書を締結しました。当該FSU保有会社は、JSC NOVATEK (本社:ロシア、以下「NOVATEK」)が主導するLNGプロジェクト向けに、砕氷LNG船(註3)から在来型LNG船への積替事業を提供するArctic Transshipment LLC (NOVATEKとTotalEnergies S.E. (本社:フランス)の合弁会社)との間で裸傭船契約を締結済です。

本プロジェクトでは、カムチャッカ半島のベチェビンスカヤ湾とムルマンスクのウラ湾に、世界最大級となる360千m3型の再液化装置付FSUをLNG積替基地として設置します。現在、大宇造船海洋株式会社(本社:韓国)にてFSU 2隻を建造中であり、完工次第、カムチャッカ、ムルマンスクまで曳航し、設置する計画です。当社はこれまでFSUの基本設計、図面承認、建造監督など、技術・エンジニアリング分野でプロジェクトに関わってきております。

北極海航路を経由し、カムチャッカ及びムルマンスクにてLNGの積替えを行うことで、輸送コストや温室効果ガス排出量の削減が期待されるとともに、消費地に近い場所にLNGを保管することで輸送の安定性・定時性を高めるメリットがあります。また、ロシア北極圏産エネルギーへの安定的アクセスを実現することにより、本邦へのエネルギー安定供給に寄与することができます。商船三井はロシア北極圏の積出港から積替基地までLNGを輸送する砕氷LNG船、LNGの積替えを行う本プロジェクト、積替基地から揚げ地まで輸送する在来型LNG船の全てに関わり、安定的なLNGの輸送に貢献します。

当社は、「商船三井グループ 環境ビジョン2.1」(註4)に則り環境課題に向き合い、今後もグループ一丸となって持続可能なGHGネットゼロエミッションの実現に取り組み、低炭素化社会の実現に貢献していきます。

LNG輸送とLNG積替基地の全体像
LNG積替作業イメージ図(中央がFSU)

(註1) 会社概要
GTLK (露名:Государственная Транспортная Лизинговая Компания)は、ロシア最大級の国営リース会社です。ロシア運輸省傘下として、政府政策や国家プロジェクトの推進を担っております。

(註2) 詳細は以下プレスリリースをご参照ください。
- 2019年9月27日付
カムチャッカ及びムルマンスクでのLNG積替基地案件に関して商船三井・JBIC・NOVATEKの3社間で覚書を締結

(註3) 詳細は以下プレスリリースをご参照ください。
-2020年11月2日付
ロシア・Arctic LNG 2プロジェクト向け新造砕氷LNG船3隻の定期傭船契約を締結 ~ヤマルLNGプロジェクトに続き、北極海航路関連事業への参画決定、北極海航路東回り通年航行の実現へ~

(註4) 商船三井グループ環境ビジョン 2.1
https://mol.disclosure.site/ja/themes/101