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ウインドチャレンジャー搭載船の導入計画が国交省「環境性能等に優れた船舶(特定船舶)導入計画」として認定

2022年03月23日

株式会社商船三井(社長:橋本 剛、本社:東京都港区、以下「当社」)と株式会社大島造船所(社長:平賀 英一、本社:長崎県西海市、以下「大島造船所」)は、かねてより風力を船の推進力として活用する「ウインドチャレンジャープロジェクト」(註1)を進めてまいりましたが、この度、国土交通省が創設した海事産業強化法に基づく特定船舶導入計画認定制度(註2)において、硬翼帆(こうよくほ)式風力推進装置(ウインドチャレンジャー)を搭載する大型ばら積み貨物船(以下「本船」)の導入計画が、「環境性能等に優れた船舶である特定船舶の導入計画」として認定されました。

本船イメージ図(航行中)
本船イメージ図(荷役作業中)
本船に搭載予定の硬翼帆

硬翼帆は風から推進力を得ることで温室効果ガス(以下「GHG」)排出量を削減でき、帆1本で従来の同型船に比べおおよそ5~8%のGHG削減効果が見込めます(註3)。

今後、硬翼帆は陸上での各試験の後、大島造船所で建造中の大型ばら積み貨物船に搭載されます。本船は海上試運転などを経て、今年10月に竣工予定です。

当社は、「商船三井グループ 環境ビジョン2.1」(註4)において、2050年までにグループ全体でのネットゼロ・エミッション達成を掲げています。当社運航船のGHG排出削減のみならず、本プロジェクトを始めクリーンエネルギーのサプライチェーン構築に積極的に参画することにより、社会のGHG排出削減および低・脱炭素社会の実現に貢献していきます。また、本件を始めとした風力関連事業を積極的に推進していきます。

(註1) ウインドチャレンジャープロジェクトは2009年に東京大学が主宰する産学共同研究プロジェクト「ウインドチャレンジャー計画」として始まり、2013年からは国土交通省による「次世代海洋関連技術研究開発費補助金」の交付対象事業の1つに選ばれました。2018年1月からは産学共同研究を引き継ぐ形で商船三井と大島造船所が中心となり「ウインドチャレンジャープロジェクト」を発足し研究を行っています。
詳細は以下をご参照ください。
https://www.mol-service.com/ja/service/windchallenger
ウインドチャレンジャー関連の過去プレスリリースは以下をご参照ください。 -2019年10月3日付
ウインドチャレンジャーが設計基本承認を取得 ~温室効果ガス削減を狙い「帆」をもつ日本初の大型商船実現へ~
-2020年12月10日付
硬翼帆式風力推進装置(ウインドチャレンジャー)搭載 石炭船による輸送契約の締結について ~世界初の「帆」を搭載した石炭船の導入により、環境負荷低減と経済性の両立を目指す~
-2022年2月1日付
風を船の推進力として活用する「ウインドチャレンジャープロジェクト」硬翼帆完成~大型船への搭載に向けて作業開始~

(註2) 海事産業強化法に基づき、海運事業者および事業基盤強化計画の認定を受けた造船事業者が共同で、特定船舶の導入に向けた計画(特定船舶導入計画)を策定し、国土交通大臣に提出することができ、当該計画が所定の認定要件を満たすと認められる場合は、国土交通大臣が当該計画を認定することとなっています。

(註3) 日本-豪州航路を想定した場合約5%、日本-北米西岸航路を想定した場合約8%。

(註4) 商船三井グループ環境ビジョン 2.1
https://mol.disclosure.site/ja/themes/101