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メタノールを主燃料としたメタノール輸送船“Cypress Sun”が竣工
~メタノール燃料船によるGHG削減への取組みを推進~

2023年01月19日

株式会社商船三井(社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「当社」)が運航するメタノールと重油の2元燃料に対応したメタノール輸送船“Cypress Sun(読み:サイプレス サン、以下「本船」)”の命名・竣工式が、1月17日に現代尾浦造船(社長:H.K. Kim、本社:韓国・蔚山市)で執り行われました。本船は、大阪船舶株式会社(社長:小谷盛雄、本社:大阪府大阪市)から当社が用船し、当社からWaterfront Shipping Company Limited(社長:Paul Hexter、本社:カナダ・バンクーバー、以下「WFS社」)に長期貸船されます。

本船は、2021年に竣工し当社がWFS社に貸船している“Capilano Sun(読み: キャピラノ サン)”(註)の姉妹船です。

メタノール船“Cypress Sun”
命名・竣工式典の模様

当社は、世界最大級のメタノール輸送船隊19隻(本船含む)を運航しており、内、メタノールを燃料として活用できる2元燃料船については2016年から保有し、船隊を拡大してきました。現在、世界で就航しているメタノール2元燃料タンカー23隻のうち本船を含めて5隻を当社が運航しています。

メタノール燃料は、従来の舶用燃料を燃焼した場合に比べ、燃焼時の硫黄酸化物(SOx)排出量を最大99%、粒子状物質(PM)排出量を最大95%、窒素酸化物(NOx)排出量を最大80%、二酸化炭素(CO2)排出量を最大15%削減することができます。既に実用化されており、世界で主要な130港程度で供給・補油が可能です。多様な排出源から回収したCO2と再生可能エネルギーを利用して製造された水素を合成し生産されたeメタノールや、バイオガス由来のバイオメタノールなど、非化石原料由来のメタノールを活用すれば、排出されるネットGHG排出量の更なる削減につなげて行くことも可能です。

LNGや水素・アンモニアと並び、次世代燃料の有力な候補として注目が増すメタノールについて、当社は、2021年にWFS社の親会社であるMethanex Corporation (社長:Rich Sumner、本社:カナダ、以下「Methanex」、読み:メタネックス) と戦略的パートナーシップを構築しました。また、2022年には環境循環型メタノールストーリーを通じて、環境負荷の低減を掲げています。

商船三井グループは、「商船三井グループ 環境ビジョン2.1」に則り環境課題に向き合い、世界最大級のメタノール専用船保有船社として、これまでに培ってきた経験やノウハウを生かし、メタノール輸送サービスのさらなる拡充に取り組むと共に、ネットゼロ・エミッションを通じた地球環境の保全に貢献します。

本船仕様

全長 186.07m
全幅 32.20m
DWT 49,999MT
船舶管理会社 MOL Tankship Management

(註)関連するプレスリリースは、以下をご参照ください。
- 2021年11月5日付
邦船社初 最新型の環境に配慮したメタノール燃料船が竣工 ~”Capilano Sun“はメタノール燃料に水を混ぜることで燃焼温度を調整して窒素酸化物の排出を抑制する~

<商船三井グループが設定した5つのサステナビリティ課題
商船三井グループでは、事業を通じて優先的に取り組むべき社会課題として特定した「サステナビリティ課題」への対応を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献します。本件は、5つのサステナビリティ課題の中でも特に「Safety & Value -安全輸送・社会インフラ事業を通じた付加価値の提供-」、「Environment -海洋・地球環境の保全-」と「Innovation -海の技術を進化させるイノベーション-」にあたる取り組みです。