2023年06月14日
株式会社商船三井(社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「商船三井」)の100%出資子会社MOL FSRU Terminal (Hong Kong)Limitedが保有する世界最大のFSRU「MOL FSRU Challenger」(以下「本FSRU」、註1)が、香港におけるLNG輸入プロジェクト(以下「本プロジェクト」)向けの試運転において、香港初となるLNGの受入を実現しました。本プロジェクトはまもなく商業運転を開始し、香港の発電所にガスを供給します。尚、本 FSRU は今後船名を「Bauhinia Spirit」(読み:バウヒニア スピリット)に変更予定です。
本FSRUは、香港地場電力会社である CLP Power Hong Kong Limited (CLP Power社)とThe Hongkong Electric Company, Limited (HK Electric社) が共同設立したHong Kong LNG Terminal Limited(註 2)へ長期用船の下、香港南海上(ソコ群島東方)にて操業し、CLP Power社のブラックポイント発電所、およびHK Electric社のラマ発電所に天然ガスを供給します。また、MOL FSRU Terminal(Hong Kong)Limitedは本FSRUの操業に加えて、桟橋の保守・操業サービス、および港湾関連サービスを提供します。
商船三井は、本プロジェクトを通じて、香港で初めてのLNG輸入の実現、ひいてはCO2排出量の少ないガス火力発電の比率を大幅に増加させることで、香港政府が掲げる脱炭素化、および大気環境改善目標の達成に貢献します。さらに、本プロジェクトにおいて獲得した知見と専門技術を活用し、輸送サービスに限定されないクリーンエネルギー産業の上流から下流までの様々なバリューチェーンにおいて、より積極的に関与することを目指します。
商船三井グループは、海運業を中心に様々な社会インフラ事業を展開し、環境保全を始めとした変化する社会のニーズに技術とサービスの進化で挑むことをグループビジョンとしています。本件はグループビジョンに加え、経営計画「BLUE ACTION 2035」で掲げる海洋事業、非海運事業の拡大、「商船三井グループ 環境ビジョン2.2」での戦略の一つ「グループ総力を挙げた低・脱炭素事業拡大」にも合致する取り組みです。商船三井グループは、人・社会・地球のサステナブルな発展に貢献し、青い海から豊かな未来をひらきます。
【本FSRU概要】
全長:345.00メートル
全幅:55.00メートル
LNG貯蔵能力:263,000立方メートル
再ガス払出能力:800 百万立方フィート/日
(註1) FSRUとは、Floating Storage and Regasification Unitの略で、浮体式LNG貯蔵再ガス化設備を指す。洋上でLNGを再気化し、陸上パイプライン・設備へ高圧ガスを送出する能力を持つ。
(註2) Hong Kong LNG Terminal Limitedは、本プロジェクトのターミナル桟橋および海底パイプラインの新設・保有並びにFSRU用船を行う。
商船三井グループが設定した5つのサステナビリティ課題
商船三井グループでは、事業を通じて優先的に取り組むべき社会課題として特定した「サステナビリティ課題」への対応を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献します。本件は、5つのサステナビリティ課題の中でも特に「Safety & Value -安全輸送・社会インフラ事業を通じた付加価値の提供-」、「Environment -海洋・地球環境の保全-」、「Human & Community -人の活躍と地域社会の発展-」、「Innovation -海の技術を進化させるイノベーション-」にあたる取り組みです。