2024年06月14日
株式会社商船三井(社長:橋本 剛、本社:東京都港区、以下「商船三井」)は、グループの人財情報を一元的に管理できるグローバルタレントマネジメントシステムである「SAP SuccessFactors®(エスエーピー・サクセスファクターズ)」を2024年4月より導入しました。
SAP SuccessFactors®は、グループ全体の組織情報や従業員の経験・スキルなどの人財データを一元管理でき、サクセッションプランニングおよびそのためのキャリア開発支援を行うことができる人事管理に特化したシステムです。本システムの活用により、各ポジションの候補人財の検索等が容易となり、グループ全体の適所適材や主要ポジションのサクセッション体制の構築に繋げます。また、自身に向いているポジションの検討や目指すポジションに必要なスキルの把握が可能となり、従業員のキャリア自律を促進します。現在本社に加え、国内外グループ会社の約5,400名の従業員の人財情報を取り込んでおり、今後も順次拡大していきます。
商船三井は、2023年に策定した経営計画「BLUE ACTION 2035」を支える人財政策に関する考え方として、「Human Capital ビジョン」とアクションプランである「HC Action 1.0」を定め、人財への積極的投資をおこなっています。特に、グローバルに事業を拡大するうえでは、求められる人財像が多様化・高度化する中、地域単位・事業部単位を越えたグループ全体として人財の見える化と適所適材への配置、またそれらの人財を束ね変革を主導するマネジメント層を育成・確保することが重要です。
このような状況下、当社グループでは、主要ポジションで求められるスキルや経験などの要件明確化、候補人財を中心としたスキルアセスメントの実施、また、従業員が主体的に自らのキャリアを形成するきっかけとなるよう、本社を中心に「ポジション公募制」をスタートさせていますが、そうした制度を支えるインフラとしても SAP SuccessFactors®を活用し、グループ全体の人財政策の推進を加速させてまいります。
■SAP SuccessFactors®導入の狙いと展望
SAP SuccessFactors®の導入にあたり、商船三井 常務執行役員 チーフ・ヒューマン・リソース・オフィサーである竹崎弘倫が、導入の背景と意図、今後の方針について語っています。
―グローバル・グループ全体での「適所適材」を実現する人財政策が必要
当社が「海を起点とした社会インフラ企業」として成長し、よりグローバルに発展する事を目指す中、社内では、人財に対する関心・重要度が間違いなく高まっていると感じます。グローバルに事業を展開する中で、例えば、これまでは地域単位・事業部単位ごとにローカルで独自の人事政策を実施してきましたが、グローバル・グループ全体の視点で見ると、それぞれの人財がもっと活躍できる場所が他にある可能性があります。Human Capital Visionの基本原則でもある「ダイバーシテイ・エクイティ&インクルージョン」を推進し、それを活かしてさらなる成長を実現するためには、商船三井グループ全体での適所適材を進めていく必要があります。
―「Human Capital ビジョン」の策定と適所適材のための取り組み
グループ経営計画「BLUE ACTION 2035」を達成するため、横断的な人財政策に関する基本的な考え方を示すものとして「Human Capital ビジョン」と、その施策である「HC Action 1.0」を設定しています。今般、世界で約160ある商船三井グループの成長をけん引する重要なポジションを「MGKP(MOL Group Key Positions)」として定め、そのポジションはどんな仕事・役割で、どのようなスキルが求められるのかを「見える化」しました。また同時に「スキルマトリクス」を定義することにより、その基準を明確化しています。これらは、グループ全体での適所適材を推進する起点となる取組みです。
―ポジション・スキルの見える化の基盤としてSAP SuccessFactors®を導入
会社として適所適材を進めるうえでは従業員一人ひとりのスキルや経験を「見える化」することも不可欠で、今回導入したSAP SuccessFactors®はまさにその基盤を担うものです。当社では、まずは一定層に限定して開始していますが、従業員の氏名・所属等の基礎データから、職務経験や専門性などのデータを蓄積し、個人のスキルレベルを把握できるようにしています。前述のMGKPの設定とスキルマトリクスの作成、また従業員のスキルレベルの見える化によって、会社としてはそれらを適所適材を実現する人事異動に役立て、従業員個人としても自身が今後目指したいポジションと現状のスキルのギャップを知り、自律的にスキルアップを目指す、そういった事に繋げていきます。
―グループ全体への対象範囲拡大と実際の適所適材実現を早急に目指したい
現在グループ従業員のうち約5,400名の情報をSAP SuccessFactors®に取り込んでいますが、今後、対象範囲をグループ全体に拡大していきます。 また、現在はMGKPのみに限定されているポジション定義の作成も、今後は対象を広げ運用していく予定です。また、現時点ではその第一歩を踏み出したに過ぎませんが、今後は今回のシステム導入に基づいた適所適材の実現例を多くの社員に知ってもらい、このシステムをインフラとして社員一人ひとりが強みを伸ばし力を発揮できるグループを目指します。
商船三井グループが設定した5つのサステナビリティ課題
商船三井グループでは、グループビジョンの実現を通じて社会と共に持続的な発展を目指すための重要課題として「サステナビリティ課題 (マテリアリティ)」を特定しています。本件は、5つのサステナビリティ課題の中でも特に「Human & Community -人の活躍と地域社会の発展-」、「Innovation -海の技術を進化させるイノベーション-」にあたる取り組みです。