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アンモニアを燃料とした「大型アンモニア輸送船」の設計基本承認を共同取得
~アンモニア輸送のさらなる大容量化に向けて~

2025年03月14日

株式会社商船三井(社長:橋本 剛、本社:東京都港区、以下「当社」)は、株式会社名村造船所(以下「名村造船所」)及び三菱造船株式会社(以下「三菱造船」)と2021年より共同で開発を進めてきた(註1)アンモニアを燃料として航行する大型アンモニア輸送船を対象に、一般財団法人日本海事協会(以下「NK」)より、アンモニア燃料対応設計の基本承認(Approval in Principle:以下「AiP (註2)」)を取得しました。

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本船運航イメージ図

本船はゼロカーボン燃料や水素キャリアとしてのアンモニアの利用拡大、発電所におけるアンモニア燃料トランジションのさらなる需要に備え、アンモニア輸送の大容量化に向けたソリューションとして、大型LPG・アンモニア輸送船(VLGC・VLAC)よりも更に大容量の貨物槽を持ち、かつ低エミッション輸送を実現するアンモニア燃料への対応が可能です。特に日本国内の主要な発電所への入港制限を満たし、かつ、発電所やアンモニア供給基地と荷役時接続部の整合性等は既存VLGCとほぼ同等を確保した点において、画期的な船型となります。

本件はNKによる基本計画図面の審査とリスクアセスメント(Hazard Identification Study:以下「HAZID(註3)」)の結果を基本設計へ反映させ詳細設計まで完了しました。HAZIDにおいては、主に懸念されるアンモニアの毒性に関する安全性を最優先に評価、検討し、十分な対策を施した設計としています。

商船三井グループは、2050年までにネットゼロ・エミッションを達成することを目指しており、「BLUE ACTION 2035」および「商船三井グループ 環境ビジョン2.2」に沿って、今後も脱炭素・低炭素社会の実現に向け邁進します。クリーン代替燃料の導入に加えクリーンエネルギーを供給するインフラ企業として持続可能な社会の実現を目指します。

(註1) 過去のプレスリリースをご参照ください。
2021年11月04日付 アンモニアを燃料とした「大型アンモニア輸送船」の開発に着手

(註2) AiP (Approval in Principle):新規技術や既存規則が詳細に規定していない分野において、専門家によりリスク評価を踏まえた設計基本承認。AiP 取得は本技術・コンセプトを導入した基本設計に関するフィジビリティスタディが完了したことを意味し、その後の詳細設計への展開をクリアかつスムーズなものとすることができる。なお今回はフィジビリティスタディに留まらず、基本設計をもとに詳細設計まで終えている。

(註3) HAZID(Hazard Identification Study):システムの潜在的危険性についてその大きさと発生頻度を専門家間で討議し、システム全体として十分な安全性を持つようにするリスク評価・管理手法。


商船三井グループが設定した5つのサステナビリティ課題
商船三井グループでは、グループビジョンの実現を通じて社会と共に持続的な発展を目指すための重要課題として「サステナビリティ課題 (マテリアリティ)」を特定しています。本件は、5つのサステナビリティ課題の中でも特に「Safety & Value -安全輸送・社会インフラ事業を通じた付加価値の提供-」、「Environment -海洋・地球環境の保全-」、「Innovation -海の技術を進化させるイノベーション-」にあたる取り組みです。