2018年03月29日
株式会社商船三井(社長:池田潤一郎、本社:東京都港区、以下「商船三井」)と中国遠洋海運集団有限公司(China COSCO Shipping Corporation Limited、以下「China COSCO Shipping社」)の合弁会社が発注した砕氷LNG船“VLADIMIR RUSANOV”(以下「本船」)が、3月27日から28日にかけてロシア・ヤマル半島サベッタ港のヤマルLNG出荷基地で初荷役を実施しました。
サベッタ港で初荷役をするVLADIMIR RUSANOV
初荷役の様子をこちらに公開しています。
本船は、2014年7月に発表した「ロシア・ヤマルLNGプロジェクト向け新造LNG船3隻の造船契約を締結」(*1)の第一船であり、ヤマルLNGプロジェクトのLNGの輸送に長期貸船されます。
本船は、昨年12月21日に韓国・Daewoo Shipbuilding & Marine Engineering Co., Ltd.(以下「DSME社」)のオクポヤードで命名式(※2)を実施した後、スエズ運河経由で北極海まで航行し、商船三井の技術者と海技者、本船傭船者であるヤマルLNG社、建造造船所であるDSME社、主要機器メーカー等の立ち会いの下、約3週間にも及ぶ砕氷航行試験を実施しました。砕氷航行試験では、氷海における本船の単独砕氷能力が確認され、本船は無事プロジェクトに投入されました。
また、商船三井が発注した残り2隻の砕氷LNG船についても、計画通り順調に建造が進んでおり、第二船は本年9月、第三船は来年9月にそれぞれDSME社で竣工のうえ、プロジェクトへ投入される予定です。
北極海は未発見天然ガス資源の30%、石油資源の13%が存在していると言われている、資源の宝庫です。ヤマル半島周辺では、次の大規模LNGプロジェクトの投資も予定されており、北極海から資源を安全且つ短い距離で調達できることは日本の国益にも資するものです。世界に目を向けると、LNGはクリーンなエネルギーとして、今後10年以上の期間において年率5%近い伸びが期待されています。中国やインド、東南アジアで大幅な輸入の増加が期待され、また欧州でも、天然ガスの域内生産が減退していることから輸入の増加が見込まれています。
多くの天然ガス資源が眠る北極圏へのエネルギー資源アクセスの重要性が増すなか、商船三井は、今後も北極海のLNG輸送に積極的に挑戦していくとともに、世界各国のお客様に対し付加価値のある輸送サービスを提供できるよう取り組んでいきます。
(*1) 詳細は2014年7月9日付プレスリリース「ロシア・ヤマルLNGプロジェクト向け新造LNG船3隻の造船契約を締結 ~世界初の砕氷LNG船によるLNG輸送プロジェクトに参画、北極海航路の商業運航を実施~」をご参照ください。
(*2) 詳細は2017年12月22日付プレスリリース「ロシア・ヤマルLNGプロジェクト向け新造砕氷LNG船“VLADIMIR RUSANOV”と命名」をご参照ください。
【”VLADIMIR RUSANOV”要目】
(1)全長 | : 299.0m |
(2)全幅 | : 50.00m |
(3)満載喫水 | : 12.00m (氷海航行時) |
(4)LNGタンク | : メンブレン型 |
(5)貨物タンク容量 | : 172,000m3 |
(6)アイスクラス/仕様 | : ロシア船級ARC7 / 極寒地を対象とした特別仕様 |
(7)砕氷航行能力 | : 船首砕氷バウ構造、船尾3軸PODプロペラ 最大砕氷能力 氷厚2.1m (後進時) |
(8)建造造船所 | : Daewoo Shipbuilding & Marine Engineering Co., Ltd. |
(9)船舶管理会社 | : 商船三井 |
(10)保有比率 | : 商船三井 50% / China COSCO Shipping社 50% |
北極海でアイストライアル実施中のVLADIMIR RUSANOV
アイストライアルの動画をこちらに公開しています。