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LNG燃料タグボート「いしん」の竣工引渡式を開催
~大阪湾で初のLNG燃料タグボート営業開始に向けて準備進む~

2019年02月28日

船舶維新NEXT株式会社商船三井(社長:池田潤一郎、本社:東京都港区、以下「商船三井」)が発注し、金川造船株式会社(社長:生駒剛人、本社:神戸市兵庫区、以下「金川造船」)が建造していた大阪湾、及び西日本で初めてのLNG燃料タグボート「いしん」の竣工引渡式が、2月27日に神戸港中突堤にて取り行われ、国土交通省神戸運輸監理部長、神戸市みなと総局長、大阪府港湾局長をはじめとする多くの関係者が列席する中、金川造船より商船三井へ引き渡されました。

今後「いしん」は、商船三井グループの日本栄船株式会社(社長:西尾哲郎、本社:神戸市中央区)によって運航を開始します。LNG燃料は、大阪ガス株式会社(社長:本荘武宏、本社:大阪市中央区、)から堺泉北港にてTruck to Ship方式(註1)で供給を受けます。

「いしん」は、高速航行性能を生かして大阪湾や瀬戸内海を航行する大型貨物船等のエスコート業務や、入出港作業を担い、そこで得られたLNG燃料船の運航のノウハウを、商船三井グループのLNG燃料船の知見として蓄積していきます。

「いしん」は、国内では初めてIGFコード(註2)に準拠して建造されたタグボートとなります。また「いしん」は、その優れた環境性能が、高く評価され、国土交通省が認証する「内航船省エネルギー格付け制度」(註3)にて最高ランクの星4つを獲得しました。

「いしん」の主機は、ヤンマー株式会社(社長:山岡健人、本社:大阪市北区)製の最新船舶用Dual Fuelエンジン(註4)「6EY26DF」2基を搭載し、着脱可能な構造のLNG燃料タンクを船尾側暴露甲板上に設置し燃料供給時および整備点検時の利便性を高めました。LNG燃料タンクには、環境やエコをイメージしたモチーフでデザインしたグリーンの「いしん」のイラストと、「内航船省エネルギー格付け制度」にて取得したグリーンの四つ星を描き、当社のLNG燃料による環境負荷低減の取り組みを表現しました。

商船三井は、これからも国内外(註5)でLNG燃料供給体制の整備推進を通して、LNG燃料の普及(註6)に積極的に取り組み、お客様や社会の環境負荷低減のニーズに応えてゆきます。


式典にて

右から金川造船 生駒剛人社長、商船三井常務執行役員 八嶋浩一


船上に搭載されているLNGタンク

【「いしん」概要】

総トン数 247トン
全長 43.6m
全幅 9.20m
喫水 3.15m
航海速力 16.4ノット以上
主機関 ヤンマー 船舶用Dual Fuelエンジン「6EY26DF」2基

(註1)truck to ship方式とは陸側の LNGローリーから 船へLNG 燃料を供給する方式。

(註2)International Code Of Safety For Ships Using Gases Or Other Low-Flash Point Fuelsの略。ガス燃料及び低引火点燃料を使用する船舶に対する安全要件を規定するコードで、2017年1月1日より発効。

(註3)国土交通省が、内航船舶について省エネ・省CO2設備への投資環境を整備するため、省エネ・省CO2効果を船舶の企画・設計段階で「見える化」し、船舶の省エネ・省CO2性能を客観的に評価する制度。
http://www.mlit.go.jp/maritime/maritime_tk7_000021.html

(註4)A重油とLNGそれぞれを燃料として使用できるエンジン。

(註5)商船三井は、世界各地でLNG燃料供給船の長期傭船契約を締結し、LNG燃料供給事業に参画しています。詳細は、以下プレスリリースをご参照ください。

(註6)商船三井は2017年4月1日付の組織改編において、LNG等の代替燃料船への取組みの加速、LNG等燃料供給事業への参入を一元的に取り扱う燃料室を新設しました。詳細は2017年2月24日付プレスリリース「組織改編の件」をご参照ください。