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海洋ごみ回収船による海洋ごみ収集システム構築に係る案件化調査がJICA支援事業に採択
~海洋環境保全に貢献~

2022年04月13日

株式会社商船三井(代表取締役社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「当社」)が提案した「海洋環境保全のための海洋ごみ回収船による(海洋プラスチックごみ等の)海洋ごみ収集システムの構築に係る案件化調査」が、独立行政法人国際協力機構(以下「JICA」)の中小企業・SDGsビジネス支援事業に採択されました(註1)。海洋ごみ問題が深刻化しているベトナムにおける2023年頃の実導入に向け、契約開始後約1年間かけて、ベトナム政府関係省庁との連携も視野に、ビジネスモデル検証、回収船用の現地造船所精査を含めた調査を実施します。

世界的な課題となっている海洋ごみのうち、約70%がプラスチック類であると言われており、2050年にはプラスチックごみの量が魚の量を超える可能性も指摘されているほど、大きな問題となっています。その中でも東南アジア域での流出量が多くを占めており、このうちベトナムの流出量が占める割合は、毎年70万トン、全世界の6%を占め、中国、インドネシア、フィリピンに次ぐ量となっています(出典:国連環境計画)。また同国では、急速な都市化に伴いごみの量が増加していることに加え、南北に長い海岸線を有するその地形的特徴から海洋ごみが流入しやすく、海洋ごみ問題が年々深刻化しています。一方で、海洋ごみの回収方法は、人海戦術による非効率的なもので、ごみの大幅な削減には繋がっておらず、今回採択された案件化調査を通じて、海洋ごみ回収専用船を用いた、現地に適合した海洋ごみ回収システム案を策定します。

プラスチックごみは自然界では分解されにくく、半永久的に海中に残留するため、海洋汚染や水質汚染、海洋生物への影響、景観破壊による観光業への影響などが懸念されています。
当社では一般商船にマイクロプラスチック回収装置を搭載することでマイクロプラスチックを回収し(註2)、さらにそれをエネルギー転換・活用することの検討も進めています(註3)。
海洋ごみ回収に関する当社知見や、当社グループのネットワークを活かし、今後は主に東南アジア域における他エリアにも同事業を拡大し、世界の海洋環境保全に向け取組んでいきます。

当社グループは、グループ総力を挙げて、人・社会・地球のサステナブルな発展に貢献し、青い海から豊かな未来をひらきます。

(註1) JICAの2022年3月31日プレスリリース「2021年度第二回「中小企業・SDGsビジネス支援事業」:地域金融機関との連携案件8件を含む24件採択決定」をご参照。

(註2) 2020年11月24日プレスリリース「新造木材チップ船に搭載したマイクロプラスチック回収装置で試験採取を実施」および、2021年3月24日プレスリリース「丸住製紙向け新造木材チップ船にマイクロプラスチック回収装置を搭載」をご参照。

(註3) 2021年11月18日プレスリリース「海から回収したマイクロプラスチックをエネルギーへ転換することに成功」をご参照。