商船三井グループは、世界中で様々な社会インフラ事業を展開する企業グループとして、企業価値の向上を通じて全てのステークホルダーに新たな価値を届けることを目指しております。
これに向け、「商船三井グループ コーポレート・ガバナンス基本原則3か条(第3条)」において、すべてのステークホルダーとの透明性の高い対話を行うことを掲げるとともに、「商船三井グループ コーポレート・ガバナンスポリシー(第3条)」において、以下の主要なステークホルダーとの対話に関する方針を定めております。
これらの主要なステークホルダーの皆さまとの対話の機会を拡大し、対話を通じて得た貴重なご意見を経営に活かしていくことで、社会のニーズに沿った事業活動を展開し、様々な社会課題の解決にも貢献してまいります。
主要な ステークホルダー |
MOLグループが果たす責任 | 主な対話方法(頻度)※1 |
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株主・投資家 | 持続的な成長による企業価値の拡大を図り、適切な利益還元を行います。 株主・投資家の皆さまに正しく評価をしてもらうため、多岐に亘るコミュニケーションを通じて、財務・非財務面の会社情報を公正・公平に開示してまいります。 |
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顧客 | 法令・国際ルールの遵守とたゆまぬ技術力の向上に努め、環境・安全面に配慮した高品質なサービスを提供します。 お客さまには必要な情報を適時・適切に提供するとともに、皆さまから頂いたご要望を踏まえ、サービスの向上とお客さまの持続可能なバリューチェーンの構築に努めてまいります。 |
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取引先 | 公正取引、法令遵守、環境・人権・安全性等に配慮した調達を行い、持続可能なバリューチェーンを構築します。 お取引先の皆さまに当社グループの取り組みにご協力をいただけるようコミュニケーション方法を拡大し、更なるパートナーシップの深化に努めてまいります。 |
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従業員・船員 | 労働安全衛生及び人権に配慮した職場環境を整備するとともに、従業員・船員一人ひとりが能力を最大限発揮して活躍できる企業風土の醸成に努めます。 すべての従業員・船員に対して、多様な教育・挑戦の機会、経営の方向性についての意見交換の場等を設けることで、会社と双方の成長へつなげてまいります。 |
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行政機関 | 良き企業市民として法令遵守、納税の義務を果たし、行政の円滑な運営と、海事産業振興に貢献してまいります。 各国・自治体との意見交換の機会等を通じて方針・施策への理解を深め、当社の事業活動への適切な反映を行うとともに、環境負荷低減と持続的な成長に資する運輸政策形成にも引き続き積極的に関与します。 |
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地域社会・NGO | グローバルに展開する企業グループとして、当社グループに関わる地域社会の持続可能な発展・振興を図ります。 地域社会・NGOの皆さまとの双方向のコミュニケーションの機会を設け、ニーズに沿った事業及び社会貢献活動を推進いたします。 |
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※1 一部活動は、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、足下は中止もしくはオンラインにて開催しております。
また、当社は以下の通り、マルチステークホルダー方針を策定しております。
年間200回程度のIR面談を投資家・アナリストと、また年間20回程度のSR・エンゲージメント面談を大株主の責任投資担当者と実施していることに加えて、ESGの各分野を担当する役員との対話会を年に一度の定期イベントとして行っています。また、社長を含む経営層自らが投資家と対話する海外IRも、アジア・欧州を中心に毎年各2回程度実施しています。投資家・株主からの意見を踏まえ、資本コストやキャッシュフローをより重視した経営へのシフト、株主還元政策の見直しや、ガバナンスの強化、政策保有株式の削減などを進めています。
また、TCFDに沿った開示、スキルマトリクスの公開など、ステークホルダーの意見に沿った開示の充実も進めています。
顧客向けWebマーケティングの一環として、マーケティング用のWebサイト「MOLサービスサイト」を運営し、当社グループのサービスに関する情報をお届けしています。また、この他にも当社が定期的に配信するSNSやニュースレター等を通じて、国内外のお客様より海運事業を基軸とした技術や新領域を含めた事業に関するお問い合わせをいただいています。商談以外にも、学会誌への執筆依頼をいただいたり、興味深い当社の取り組み内容についてフィードバックをいただくなど、当社を「信頼できるパートナー」としてご認識いただく機会となっています。
傭船船主との対話・懇親の場として、年に1回、「船主会」を開催しています。
2023年度は、世界情勢に関する外部有識者による講演のほか、当社環境取り組みの一つであるウィンドチャレンジャープロジェクトに関するプレゼンテーションを行い、有意義な意見交換を実施しました。
四半期に1度、グループ役職員に対して当期の事業環境や業績、経営方針を説明する会を催しています。役職員に当社グループの経営状況への理解・知見を深めてもらうため、事業環境・業績に関する詳細な説明のほか、役職員のアンケート結果や時勢を踏まえつつピックアップした、注力分野・事業についての説明も毎回行っています。
またこの会は、従業員が社長を始めとした経営層と直接コミュニケーションができる機会となっており、社員からの質問・コメントに対し、社長自らがざっくばらんに回答しています。
労働組合(海上/陸上)との積極的な対話を通じ、働き方改革や福利厚生制度の充実などに取り組んでいます。
2023年春季労使交渉では、月例給与の賃上げ、役職手当の増額、及び個人実績加算制度の拡充等の賃金改善の実施に加え、育児短時間勤務制度の拡充やボランティア休暇の導入などの、働きがい向上策も実施しました。また、4月にはHC Vision/HCアクション1.0を策定・発表し、それの中で掲げる“多様性”、“共走・共創”、“働きがい”の三原則に従い、労働組合と密にコミュニケーションを取りながら、人事制度改革、そして働き方改革の推進(労働時間の削減)などに取り組んでいます。
日本を含む当社グループの主要船員配乗拠点において、当社運航船の安全運航を担う船員を対象に2007年より「MOL Safety Conference」を毎年開催しています。
2024年1月から3月にかけて、世界4拠点(下表ご参照)で“MOL Safety Conference 2024”を開催し、合計約753人の船員が参加しました。
2024年は2023年の安全キャンペーン同様、「MY GOAL, ZERO HARM」をテーマに掲げ、実際に発生した事故事例を題材とした意見交換を通じ事故の再発防止および4ZERO達成に向け気持ちを新たにしました。
加えて、ICT利活用およびDXに関する当社取り組み(Starlink導入、FOCUS等)の紹介も行い、さまざまな角度から安全運航に関する意見交換を実施しました。
当社グループは、今後も安全ビジョンのもと、これらの活動を通じて、“世界最高水準の安全品質”への取組みを続けていきます。
開催日 | 開催地 | 参加した船員数 |
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1月21日/22日 | ムンバイ(インド) | 225人 |
2月21日 | マニラ(フィリピン) | 307人 |
2月14日 | 東京(日本) | 89人 |
3月6日 | ドゥブロブニク(クロアチア) | 132人 |
2022年9月、NGOや有識者計9社・団体が集まり、ラウンドテーブルを開催しました。
今回のラウンドテーブルは、会場での対面参加とオンライン参加からなるハイブリッド形式での開催とし、モーリシャスにおける、当社の環境回復・社会貢献策に関する取り組みや、2022年4月に発表した「MOL Sustainability Plan」についての説明を行い、幅広い有益な意見が寄せられました。
これらのご意見も踏まえ、当社はモーリシャスでの取り組みについて、当社ウェブサイトでの開示を拡充してまいりました。
当社は、寄せられた貴重なアドバイスを活かすとともに、今後も広く専門家の助言を求めながら、モーリシャスの環境や人々への継続支援を行っていきます。
また、今後も地域社会やNGO等、有識者の方から頂いたご意見を事業に活かしてまいります。
当社は様々な自治体と協働し、地域の持続可能な発展・振興に積極的に関与しています。
その他、地域社会の皆さまへの取り組みは企業市民活動のページをご覧ください。
モーリシャスにおける活動については専用サイト「MOL for Mauritius」をご覧下さい。