当社グループでは、サステナビリティ課題(マテリアリティ)のひとつに「Human & Community 人の活躍と地域社会の発展」を掲げ、当社グループに関わる全ての人々との共生、地域社会の持続可能な発展・振興を図ることを目指しており、社会貢献活動もその一環として方針・重点分野を定め、当社グループ一丸となり推進します。
商船三井グループは「青い海から人々の毎日を支え、豊かな未来をひらきます」という企業理念の下、社会が抱える課題に率先して取り組み、責任ある行動をとることを行動規範の一つとして掲げています。
私たちは、様々な社会課題の解決に向け、事業を通じた社会貢献に加え、事業の枠を超えた社会貢献活動にも真摯に取り組むことで、企業価値の向上をはかると共に、持続可能な社会の実現、およびSDGsの達成に貢献していきます。
具体的な活動においては、重点分野「海洋環境」「次世代人財育成」「地域課題解決」に設定し、当社グループとしての強みを活かしながら当社が事業で関わるそれぞれの国や地域に合った活動を展開します。また、活動内容の開示や、社会とのコミュニケーションを通じて、当社グループの社会貢献活動の推進と改善に努めます。
2010年5月制定
2022年9月改定
2024年9月改定
「BLUE ACTION MOL」は企業の成長と持続可能な社会を両立させる、商船三井グループのサステナブルアクションの総称です。この言葉に地球上の環境や生き物のために、グループが思いを一つとして社会貢献活動を推進する意思「for ALL」を込め、商船三井グループの社会貢献活動を「BLUE ACTION for ALL」と設定し、重点分野に基づいた取り組みを推進しています。
海運・海洋事業を営む当社グループにとって、生物の多様性を含む海洋環境の保全に取り組むことが、私たち自身と未来社会のための使命と考えています。同時に、海事産業が私たちの生活に不可欠な社会インフラであることを発信することも重要だと認識しています。
この考えのもと、当社グループは「海洋環境」(海洋生態系の保護や海洋汚染の防止など) 「次世代人財育成」 (海事教育機会の提供など)「地域課題解決」(事業で関わりのある地域の課題解決や災害・紛争への支援など)を重点分野に設定し、関連するNGO・NPOなどの団体や 地域社会、研究機関等との連携を深め、積極的に取り組んでまいります。また、このような知見を蓄積し次世代に 受け継いでいきたいと考えています。
小中高生とその保護者や教員を対象に自然科学教育・普及啓発活動を行うNPO法人チームくじら号と協働し、海洋プラスチックごみの回収・調査イベントを実施しています。専門家監修のもと回収したマイクロプラスチックを使った比重実験や顕微鏡観察を行い海洋環境問題について学びます。
サンゴ礁の専門家監修のもと、小中学生を対象にしたサンゴの研究・調査イベントを開催しています。サンゴを直接観察することでサンゴの体のつくりや気候変動が海洋環境に及ぼす影響についての知識を深め、環境保全に対する意識を高めることを目的としています。
名古屋港水族館が行う絶滅危惧種であるアカウミガメの回遊経路調査に、当社自動車船が海上輸送で協力をしています。本調査を通したアカウミガメの行跡と海洋環境のデータを分析することで、回遊生態の解明と、絶滅の危機に瀕したアカウミガメの効果的な保護活動に貢献することを目指しています。
当社運航の大型鉄鉱石運搬船の座礁・沈没事故(2006年)により10名の乗組員が死亡・行方不明となった重大海難を契機に、事故で亡くなった乗組員の慰霊、事故の風化防止、そして安全文化の醸成を目的として鹿島灘にて役職員による海岸清掃を行っています。本活動を通じて、海洋・地球環境保全に対する意識向上、地域社会の持続的な発展にも貢献します。
海洋環境保全を目的として、商船三井グループでは事業所・拠点のある地域での清掃活動を積極的に実施しています。身近な場所で取り組むことで環境保全を自分事として考える機会とし、参加者同士の交流や地域との共生も目指しています。
海藻類を食べつくし、藻場減少"海の砂漠化"の一因ともされる食害魚を有効に消費することで、"海のゆりかご"とも言われる藻場の再生を目的として、社員食堂では食害魚メニューを提供しています。食堂を利用することで、豊かな海の保全とCO2削減への貢献を目指しています。また本メニューは「TABLE FOR TWO」の対象メニューで、途上国支援への貢献も目指しています。
当社における「TABLE FOR TWO」の取り組み
当社は、2020年にモーリシャス島南東部で発生した当社チャーター船「WAKASHIO号」の座礁事故を受け、モーリシャスの自然環境回復と地域社会への貢献に取り組んでいます。世界各地の当社グループの社員を選抜し、同国で研修を実施することで海洋汚染防止や自然環境保護に対する理解を深め、地域社会への貢献を目指しています。
MOL Scholarshipは、国際大学における、主にアフリカ諸国からの留学生を経済的に支援する奨学金制度です。当社と関係の深いアフリカ諸国からの留学生を経済的に支援することで、将来のアフリカ諸国等の経済発展を担う人材の育成に貢献することを目的としています。
当社では、全国から10名の小中高生に「MOLアンバサダー」に就任頂き豊かな海を守る大切さや海運業の価値を同世代の仲間たちに伝える活動を行っています。ワークショップや操船シュミレーター、船の見学などを通して、世界を繋ぎ24時間365日物流を支え続ける海運業という仕事や環境課題の解決を目指すための様々な技術を伝えています。
全国の次世代の学生やその保護者方々に海の大切さを知っていただくための体験イベントを定期的に開催しています。またオンライン職業体験やキャリア講座等を実施し海運業の価値を伝え、自己のキャリア形成や進路決定を支援しています。
2015年より、次世代を担う子供たちに船と海を身近に感じてもらうことを目的に海の日に開催している「海の日イベント」に協力しています。2024年7月はコロナ禍以降5年ぶりに当社自動車船見学会を実施し、多くの募集から当選した小中学生の親子約500名以上が参加しました。
グローバルネットワークを有する海運会社ならではの社会貢献活動として、無償輸送を実施しています。移動図書館車や消防車などを必要な地域に届けることで、地域社会発展への貢献を目指しています。
開発途上国の飢餓や栄養不足の問題と先進国の肥満や生活習慣病の解消を同時に解決することを目指す認定NPO法人「TABLE FOR TWO International 」の「TABLE FOR TWO」プログラムに参加しています。当社社員食堂で対象商品を購入すると役職員が10円、当社が10円を上乗せ(マッチング寄付)して合計20円の寄付を行うプログラムを導入し、役職員の参加を呼びかけています。
株式会社そごう・西武と国際協力NGO ジョイセフが連携して行う「ザンビアの子どもたちに靴を贈るプロジェクト」に賛同し、輸送協力を行っています。これまでに100万足以上が提供されています。靴を履くことは、病気の予防だけでなく、子ども達が学校へ通い続けるモチベーションにも繋がっています。
世界で発生する大規模な洪水や台風、地震等の災害や人道危機に対し寄付活動を積極的に行っています。 当社グループでは、当社グループとしての義援金の拠出と合わせて、役職員による募金活動を実施しています。集まった募金は、集まった同額を当社が上乗せして寄付するマッチング寄付を採用しています。
ベトナム台風災害 | 36,000米ドル |
秋田・山形県 豪雨災害 | 5,000,000円 |
台湾東部沖地震 | 10,000,000円 |
令和6年能登半島地震 | 10,000,000円 |
モロッコ地震 | 5,000,000円 |
リビア洪水 | 5,000,000円 |
トルコ・シリア地震 | 5,000,000円+38,000米ドル |
インドネシア・ジャワ島西部地震 | 3,000,000円 |
ウクライナ人道支援 | 200,000,000円 |
フィリピン台風 | 500,000フィリピンペソ |
また募金のほかにも、支援物資の寄付や無償輸送を提供し、被災された方の支援や被災地復興に貢献しています。
当社は、モーリシャスにおいて、自然環境の回復保全や地域社会への支援を行うため、MOL(Mauritius)Ltd. を2020年に設立し、モーリシャスの地域社会と積極的に交流を行っています。
モーリシャスにおける活動については専用サイト「MOL for Mauritius」をご覧下さい。
当社グループの社会貢献活動は、環境・サステナビリティ戦略部が中心となり、当社関連部署および国内外のグループ各社と連携して推進しています。主な活動については経営会議の下部機構であるサステナビリティ委員会で審議を行い、取締役会の監督のもと取り組む体制を構築しています。
社会貢献活動の方法 | 2023年度金額 |
---|---|
現金での寄付 | ¥214,781,190 |
物資・サービスの提供 | ¥0 |
就業時間内の従業員ボランティア活動 | ¥758,439 |
その他* | ¥19,822,219 |
合計 | ¥235,361,848 |
* 社会貢献活動に必要な間接費用