トップページ > お知らせ > ダイナミック ポジショニングシミュレータを使用した各種オフショア船の訓練コースを新たに開講 ~商船三井グループ内外の洋上風力発電関連船に関わる皆さまを対象~

ダイナミック ポジショニングシミュレータを使用した各種オフショア船の訓練コースを新たに開講
~商船三井グループ内外の洋上風力発電関連船に関わる皆さまを対象~

2024年07月08日

株式会社商船三井(社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「商船三井」)および MOLマリン&エンジニアリング株式会社(社長:菊地和彦、本社:東京都港区、以下「MOLMEC」)は、両社で保有するダイナミックポジショニング(自動船位保持、以下「DP」)シミュレータ(註1)を使用した、洋上風力発電関連船を運航する際に不可欠な各種オフショア船訓練コースを開講します(表1)。コースによっては船員資格の有無を問わず受講が可能となります。今後増加が見込まれる洋上風力発電事業に加え、海洋開発に関係する特殊船の安全運航の実現に貢献します。

MOL DP トレーニングセンターのシミュレータ

(表1)【各種オフショア船の訓練コース】

コース名 コース内容 開講時期
1.SERVICE OPERATION VESSEL (WALK TO WORK) COURSE 洋上風力発電設備に技師を安全に移乗させるための座学と実技で構成されたDP訓練コース。オフショアプラットフォームとSOVをタラップで接続するため、正確な定点保持が求められる。 2024年7月
2.OFFSHORE SUPPORT VESSEL SHIP HANDLING COURSE 洋上作業で必要とされるOSV(支援船)の操船に特化した訓練コース。座学と実技で構成。アジマススラスター、バウスラスター、ピッチプロペラ等について理解を深めつつ、操船技術を向上させる。 2024年8月
3.ANCHOR HANDLING VESSEL COURSE オフショアプラットフォームを固定するアンカーハンドリング(設置・回収等)に必要な操船技術を向上させる。 2024年9月
4.SELF ELEVATING PLATFORM VESSEL(JACK-UP) FAMILIARIZATION COURSE SEP船を扱う上での知識、実践、オートポジションでのセットアップ、脚の展開、維持、安全管理等SEPオペレーションのために必要な知識を学ぶ。DPO、船員、非船員等、SEP船に関わる方々が対象。 2024年9月
5.CABLE LAYING VESSEL COURSE 電力・通信ケーブル敷設船の操船に特化した、DPOのための訓練。DPを使用した操船と、安全運航に貢献する。 2025年3月

これらの訓練コースは経済産業省資源エネルギー庁の「洋上風力発電人材育成事業費補助金」の交付を受け独自に開発したものです。また、海事教育および訓練プログラムの基準を満たしているとして、一般財団法人日本海事協会「ClassNK」の承認を取得しました。

承認証書を授与するClassNK斎藤直樹認証・海技部長(左)と、受領するMOLMEC社長菊地和彦(右)
洋上風力発電設備設置船 Self-Elevating Platform
(船名:Wind Zaratan)
保守作業支援船Service Operation Vessel
(船名:TSS Pioneer)

OFFSHORE SUPPORT VESSELSHIP HANDLINGコースで訓練を行う船舶モデル

商船三井は「商船三井グループ 環境ビジョン2.2」に則り2050年までのネットゼロ・エミッション実現を目標に掲げ、持続可能な世界をつくるために、再生可能エネルギー事業等の推進を通じて、自社のみならず社会からのGHG排出削減にも貢献していきます。

(註1) 洋上風力発電設置設備船・保守作業支援船乗組員向け訓練サービス開始 ~洋上風力発電事業の安全操業の実現に貢献~

(註2) 自動船位保持装置は、風潮流などの外力を自動で計算し、船舶を定点で保持したり、予め設定したルート上を航行させることができ、海上の一点にとどまり作業をする海底ケーブル敷設船、洋上風力発電関連特殊船、ならびに海底油田関連のオフショア船などに必要不可欠なものです。

商船三井とMOLMECは2022年6月にDPシミュレータを商船三井本社ロビー階に設置し、同シミュレータを活用したDPオペレータの訓練を6コース開講しています。(表2)これまでに国内外から延べ100名以上の航海士・機関士に受講いただきました。この訓練施設は The Nautical Institute(本部:イギリス、以下「NI」、読み:ノーティカルインスティチュート)の認証を得た日本初のトレーニングセンターで、DP オペレータ資格取得に必須であるトレーニング修了証書を発行することが可能です。

(表2)【The Nautical Institute認証コース】

コース名 コース内容
1.DP操船基本コース
(DP Induction)
NIのDPオペレータ認証スキームの1つ目のコース。DPの構造、ポジションリファレンスシステム(PRS)、センサー、スラスター、オペレーションを含む、DPの原則を理解する。
2.DP操船応用コース
(DP Simulator)
NIのDPオペレータ認証スキームの2つ目のコース。エラー、障害、故障を含むDP操作のシミュレーションを行う。インダクションコースとその後のDP船乗船時間の両方で学んだ教訓を応用する。
3.DP乗船履歴短縮コース
(DP Sea Time Reduction)
DPシミュレータコース受講後の必須乗船履歴を60日から30日に短縮することが出来るコース。
4.DPオペレータ資格更新コース
(DP Revalidation)
過去5年間のDP船乗船期間が30日に満たないDPO資格更新に必要なコース
5.DPオペレータ資格更新コース
(DP Refresher)
過去5年間30日以上DP船に乗船したDPOが資格更新を行うコース
6.DPの船上保守コース(DPVM) 技術スタッフ向けにDP運用の冗長性の概念を理解するために必要な知識を提供するコース

DPトレーニングについて、過去の以下プレスリリースもご参照下さい。

①2022年3月14日付
ダイナミック ポジショニング(自動船位保持)シミュレーターを商船三井本社に導入 ~海底ケーブル敷設船や洋上風力発電事業をはじめ様々な海洋開発関係特殊船の訓練に対応~ | 商船三井 (mol.co.jp)

②2022年6月7日付
ダイナミック ポジショニング(自動船位保持)訓練開講 ~海洋開発関連特殊船の訓練に対応可能な第三者機関認証を得た日本初のトレーニングセンター~ | 商船三井 (mol.co.jp)

③2022年10月18日付MOLMECプレスリリース
ダイナミック ポジショニング(自動船位保持)訓練コースを拡張~洋上風力発電関連の各種船舶訓練カリキュラムを提供~

④2023年2月6日付
経済産業省資源エネルギー庁 洋上風力発電人材育成事業費補助金公募に商船三井グループとして2件採択 ~北九州市での訓練設備導入と自動船位保持訓練コースの拡張~ | 商船三井 (mol.co.jp)

⑤2023年2月17日付
洋上風力発電事業に不可欠な新たな訓練コースについてClassNK基本承認を取得 ~DPシミュレータを使用する海洋開発関連特殊船訓練コースを拡張~ | 商船三井 (mol.co.jp)

⑥2023年6月13日付
商船三井グループが提供するダイナミック ポジショニング訓練センターで初の海外組織からの受講生を受入 ~台湾の洋上風力発電産業の発展に貢献~ | 商船三井 (mol.co.jp)

⑦2023年10月11日付
洋上風力発電設置設備船・保守作業支援船乗組員向け訓練サービス開始 ~洋上風力発電事業の安全操業の実現に貢献~ | 商船三井 (mol.co.jp)


商船三井グループが設定した5つのサステナビリティ課題
商船三井グループでは、グループビジョンの実現を通じて社会と共に持続的な発展を目指すための重要課題として「サステナビリティ課題 (マテリアリティ)」を特定しています。本件は、5つのサステナビリティ課題の中でも特に「Safety & Value -安全輸送・社会インフラ事業を通じた付加価値の提供-」、「Environment -海洋・地球環境の保全-」、「Human & Community -人の活躍と地域社会の発展-」、「Innovation -海の技術を進化させるイノベーション-」にあたる取り組みです。